「肉親逮捕」でタレントの責任問題再熱。ローラとみのもんたの違いは?
不祥事を起こした際、重要なのはその後いかに事態を収束させるかだ。そんな「不祥事・危機対応」に関して、多くの企業などから相談を受ける長谷川裕雅弁護士が、世間を騒がすスキャンダルの数々を「危機対応力」という面から読み解く――。
【第三回 ローラの父親が逮捕】
タレントのローラさんの父親が、詐欺の容疑で逮捕されました。これを受けて世間では、「出演番組降板などは必要ない」という考え方が多いようです。
同じように芸能人の肉親が不祥事を起こしたケースであるみのもんた氏は、成人した息子に対する親の責任を否定したことで世間から非難されました。「子供は親を選べないが、親には子供をしつける機会があった」という価値観があるようにも思えますが、実際はどうでしょうか?
素行不良の少年の蛮行により被害を受けた場合、無資力の少年に対して賠償請求をしても意味がない。そこで、親に対して監督過失を問うことになります。15歳11カ月の少年に対する親の監督責任を認めた最高裁判例もありますが、一般的には、年齢が高くなるにつれ監督責任は認められづらい。まして成人に対する親の監督責任を肯定することは、到底無理です。
みのもんた氏の主張は、法的にはまっとうでした。では結局、何が擁護と非難のメルクマーク(判断基準)なのか? 不肖の息子に振り回された有名人は過去にもたくさんいます。
すっぱりと切り捨てたのは中村雅俊氏で、芸能人としてのダメージはほとんどなかったように思えます。一方で、「未成年の息子が報道されるのは不当」として抗議した三田佳子氏は叩かれました。コレも実際には、実名報道を禁止する少年法の趣旨にのっとった発言だったのですが。
親の尻拭いをさせられる子供はどうでしょうか。今回のローラさんはブログで謝罪をしていましたが、もしも謝罪がなく「親は別人格で自分は無関係」との正論を述べていたら、やはり炎上したでしょう。
例えば、大物二世として鳴り物入りで芸能界入りを果たしたタレントの父親が、不祥事を起こしたとします。子供が親の責任を負うことは不条理なことではありますが、全くありえない話ではないのです。
というのも、不祥事に関する法的責任については「報償責任」 という考え方があります。従業員が不祥事を起こした場合、従業員の働きで儲けている会社は、責任を免れないというものです。「いい思いをしたぶん、責任も負え」と全くイコールではありませんが、責任を負う根拠は似ています。子供が責任を負うべきだとしても、理屈がまったく立たない話ではない。
とどのつまり、発言内容の当否がメルクマールというわけではなさそうです。小さくなって謝罪をする姿が期待されている。同じ親の責任や子供の責任でも、実は対応の仕方ひとつで世間の反応は全く違ってくるのではないでしょうか。 <文/長谷川裕雅 構成/日刊SPA!取材班>
■長谷川裕雅(はせがわ・ひろまさ)■
東京弁護士法律事務所代表。朝日新聞記者を経て弁護士に転身。現在は政治家や芸能人のマスコミ対策を想定した不祥事・危機対応や、相続問題などにも取り組む。著書に『磯野家の相続』(すばる舎)、『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』(プレジデント社)
■長谷川裕雅(はせがわ・ひろまさ)■
東京弁護士法律事務所代表。朝日新聞記者を経て弁護士に転身。現在は政治家や芸能人のマスコミ対策を想定した不祥事・危機対応や、相続問題などにも取り組む。著書に『磯野家の相続』(すばる舎)、『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』(プレジデント社)
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