更新日:2014年12月10日 09:12
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次世代の党、炎上覚悟のプロモーション映像がユルヤバい

日本共産党 カクサン部

日本共産党の特命PR部「カクサン部」の特設ページより

 2013年4月の「ネット選挙解禁」後に行われた参院選挙では、日本共産党が公式ホームページ内に開設した特命PR部サイト「日本共産党カクサン部!」が話題となった。  ユル~いタッチで描かれた「カクサン部部長/通称:カクサン」をはじめとする共産党員8人が「ただしい政策、たのしい政治」を広く知ってもらおうと、部員同士でユルふわな「論戦」を展開。これが共産党という硬いイメージを払拭させることに成功し、当時ネット上では「共産党のくせにセンスいいじゃん! リアルのポスターとかはすんごいダサいのに」などと話題になり、現有8議席(当時)から17議席まで大躍進遂げるひとつのきっかけとなっていた。このときの成功体験から、共産党は今回の選挙でも引き続き「カクサン部!2」を設置。「アベコベ政権をSTOPせよ!」と銘打ち、安部政権への批判を繰り広げている。  そんななか、今回の選挙戦で異彩を放っているのが、次世代の党が配信しているプロモーション・キャラクター「タブーブタ」(写真)だ。
次世代の党、炎上覚悟のプロモーション映像がユルヤバい

タブーを斬るタブーブタは「生活保護タブー」編のほか、「慰安婦問題タブー」編、「女性の社会進出タブー」編なども。12月4日に公開して以来、公式チャンネルでの再生回数は5日間で20万回を超えているという

 先週、「自民単独300議席超え」との見通しが多くのメディアで報じられたが、苦戦を強いられている野党のなかでも、もっとも「埋没感」が強いのが次世代の党。旧日本維新の会を分党して石原慎太郎氏らが今年8月に立ち上げたものの、旗揚げからわずか4か月ということもあって政党支持率はいまだ低迷したまま。そのため短期間で広く知名度を浸透させようと、苦肉の策として捻り出したのがこのゆるキャラだったようだ。  デップリ太った黒い体躯に赤ネクタイ。人を食ったようなふてぶてしい動きがどこか憎めない悪童キャラなのだが、この「タブーブタ」が繰り出す炎上覚悟の挑発的なメッセージやドラスティックな演出が、賛否両論入り乱れてジワジワと話題になっているのだ。  動画投稿サイトYouTubeにアップされた動画を見ると、「タブーブタのウタ♪」と題したユル~い旋律のもと、マスコットの「タブーブタ」が芋洗坂係長を彷彿とさせる小刻みなダンスを披露。「なぜだブー! なぜタブー?/ホントのことでも言わない/なぜかみんな知らぬふり/クサイものにはフタをし/都合わるいと見ないふり/なぜだブー! なぜタブー?/日本の生活保護なのに/日本国民なぜ少ない/僕らの税金つかうのに/外国人なぜ8倍」などと“熱唱”し、黒いブタのキャラクターが胴体を真っ二つに斬られるという短いプロモーション映像だ。 http://www.youtube.com/watch?v=R7ilGGkne-I&list=TLd7cCRYnVs5Q  これについて、ツイッターやフェイスブックでは、「キャッチーでブラックな内容。俺はこうあるべきだと思う。他の政党はできない」と肯定的に見る意見がある一方で、「不謹慎しゅぎる!」「不快」といった批判の声も。なかには、「動物愛護団体から苦情がきそう」と心配する書き込みもちらほら見かけたが、同党の事務局に問い合わせると「実際に動物虐待に当たるのではないかといったご意見も頂きましたが、あくまでゆるキャラアニメ。少しでも多く方々に関心をもって頂きたいだけで、不快にさせる意図などまったくございません」と話す。  師走選挙もいよいよ後半戦に突入したが、野党各党の生き残りを掛けた戦いはまだまだ続きそうな気配だ。 <取材・文/山崎 元(本誌)>
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