かつての人気アイテム「チェキ」、アジア圏を中心に見事な復活
インスタントカメラのかわいくて手軽な新しい形として、’98年に登場したのが富士フイルムの「チェキ」だ。当時、プリクラブームと「写ルンです」の衰退という絶好のタイミングにハマり、女子高生を中心とする若者のコミュニケーションツールとして大ヒット。富士フイルムの広報部によると、「’02年のピーク時には、年間販売台数100万台に達した」が、ほどなくしてカメラ付き携帯電話やコンパクトデジカメの普及により、急速にその存在感を失った。ところが、’07年に転機が訪れる。
「韓国のテレビドラマでチェキが小道具として使われたことから、韓国の若い女性の間でチェキが注目を浴びたんです。’09年には、有名ファッションモデルがブログで取り上げたことで、中国にもその人気が飛び火しました」(同社広報部)
これを機に、アジア圏ではチェキの販売台数が年々右肩上がりに。’14年度のデジカメの販売計画は、スマホのカメラ機能に押されて200万台と頭打ちだが、なんとチェキはそれを上回る300万台を達成する見込みだという。
「’02年の販売比率では、国内と海外が9:1だったのが、現在では完全に逆転しています」(同)
そして今、日本でも結婚式の二次会や、アイドルのファン交流イベントなどで、チェキは一定の需要を確保している。「複製ができず、世界でたった一枚しかないというレア感が、デジカメしか知らない若者には新鮮に映ったのでしょう」と語る広報担当者。デジカメとスマホにお株を奪われ、完全に消えたかに見えたオールドメディアは、実はバリバリの復活を遂げていた。
― [あの定番商品]が消えていった理由【8】 ―
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