更新日:2015年12月25日 17:20
スポーツ

Jリーグ開幕! 難解な新システムにサポーターの不満は頂点

 いよいよ今週末より開幕するJリーグ。昨年はJ1昇格1年目のガンバ大阪が3冠を達成するという結末を迎えたが、果たして今年はどのチームが栄冠に輝くのか? 全カテゴリー最多のチーム数のJ2や創設2年目となるJ3も楽しみだが、各リーグのサポーターの盛り上がりには明暗がわかれているようだ。 ◆難解なレギュレーションにサポはお手上げ?  まずは、J1。昨年まではシンプルに通年34節で全18チームの総当たり戦というシンプルなリーグだったが、今シーズンからは1stステージと2ndステージの2ステージ制に変更。簡単に言うとリーグ戦を前期と後期にわけ、Aというチームと前期にホームで対戦した場合、後期はアウェイで対戦するということだ。なぜシーズンを2つのステージにわけるのか気になるところだが、それには理由がある。今シーズンはリーグ戦終了後にスーパーステージ(仮称)がおこなわれるのだ。  これだけ聞くと「各ステージで王者が誕生し、“日本シリーズ”的なものがおこなわれるのか……」と、思ってしまいがちだが、事はそう単純ではない。スーパーステージは最大4チームが出場するトーナメント戦なのだ。まずは対戦カードを見てほしい。 ・1stか2ndの1位で年間勝ち点が上のチーム VS 年間勝ち点3位 ・1stか2ndの1位で年間勝ち点が下のチーム VS 年間勝ち点2位  各ステージの王者と年間通しての2位、3位が対戦するというなんともややこしいルールのトーナメントなのだ。さらに、よく見ればわかるとおり、スーパーステージには年間勝ち点1位のチームが出場していない。そう、このスーパーステージを勝ち上がったチームはチャンピオンシップ(仮称)というものに進み、そこでようやく年間勝ち点1位のチームが登場するのだ。ゲームで言うところの“ラスボス”である。J1クラブのサポーターに話を聞くと、このレギュレーションに否定的な意見が多かった。 「難しいから覚えるのは諦めた。とりあえずリーグ戦が終わってから考える」(横浜Fマリノスのサポーター) 「シーズン後に大会があるのは盛り上がりそうだけど、コアなサポーターですら面倒に思う方式はどうかと思う」(鹿島アントラーズのサポーター)  2ステージ制そのものへの不満というよりも、どうすれば王者になれるのかがわかりにくいという意見が目立った印象だ。 ◆日の丸戦士たちが監督として戦うJ2  いっぽうJ2はというと、通年総当たり戦のまま。さらに監督陣を見ると、30~40代の読者には懐かしい名選手たちがずらり。柱谷哲二(水戸ホーリーホック)、柱谷幸一(ギラヴァンツ北九州)、高木琢也(V・ファーレン長崎)、ラモス瑠偉(FC岐阜)、名波浩(ジュビロ磐田)に加え、今シーズンからは“アジアの壁”こと井原正巳(アビスパ福岡)も指揮をふるう。日の丸を背負ってピッチを駈けたレジェンドたちが、ベンチでどのような采配をするのか楽しみだ。そんなJ2のサポーターに話を聞くと、聞こえてきたのは絶対に昇格するという意気込み。そして、J1に対する並々ならぬライバル意識だ。 「J1はワケのわからないルールだし、監督の顔ぶれを見ても今年はJ2のほうが絶対盛り上がるはず」(東京ヴェルディのサポーター) 「去年J2に降格したチームには是非1年で昇格せずに長期滞在してもらって、地方の路線バスの運行ルートとか地元の名産品を覚えてほしい」(ジェフ千葉のサポーター) 「土曜日開催のJ1は甘え! J2は日曜開催だから、遠方の試合を観に行くと最終便に間に合わず、月曜朝に帰って出社することもある。J1からJ2未経験のチームに降格してもらって、そういう苦行を味わってほしい」(アビスパ福岡のサポーター)  モチベーションの理由は少々ネガティブ(?)だが、サポーターの熱気はJ1よりも伝わってきた。チーム数も試合数も多いタフなリーグなだけに、意気込みは不可欠だ。また、新たにレノファ山口が参入し、13チームとなったJ3も今後どういったリーグになっていくのか注目したいところ。果たしてシーズン終了後はどのカテゴリーが一番盛り上がるのか。いよいよ開幕するJリーグから目が離せない。 <取材・文/林バウツキ泰人> ●参照元:Jリーグ公式サイト http://www.jleague.jp/release/article-00005661/
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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