技術もカネもあるのに日産がダメな感じがするのはなぜか?
「この道を行けばどうなるものか(中略)、迷わず行けよ、行けばわかるさ」、とアントニオ猪木も言っておりますが、モノづくりは迷いの連続でございます。それでもトヨタのような絶対王者はともかく、マツダ、スバルなどは己の道をまい進し絶好調! そんななか、庶民には迷走しているように見えるのが日産。その理由はなぜか? 考察してみました
清水草一=文 Text by Shimizu Souichi
◆日産に必要なのは少年ジャンプの“努力、友情、勝利”的わかりやすさだ!!
日本の自動車産業は、アベノミクスの超優等生! 各社最高益を更新してお国に山ほど税金を払いながら、世界最先端技術で日本のテクノロジー立国ぶりを世界にアピールしてくださっている。ありがたくて涙が出ます。
主役はなんと言ってもトヨタ様ですね。世界初の量産ハイブリッドカー・プリウスで世界を震撼させたのはもう18年も前ですが、今年は世界初の量産型燃料電池車ミライを発売。年間営業利益も3兆円に迫るなど、日本経済の屋台骨を背負う尊いお姿に本当に涙が出ます。
- ミライ
- 初代プリウス
ところで、この勢いに一番乗り遅れてる会社はどこでしょう。
「日産じゃない?」
そんな声が聞こえてきそうです。愚妻がディーラーの前を通りかかると、「最近の日産は本当にダメな感じね」と訳知り顔で申しますもので。
ところが日産、そんなに悪くないんです。今期営業利益は6750億円(14.5%増)の見通し。最高益じゃないけど十分すごい。春闘のベア回答額でもトヨタを上回った。これでなぜ劣等生扱いされるのか?
愚妻「技術がダメなんじゃない?」
とんでもない。GT-Rは世界最速級だし、世界初の量産EV(電気自動車)は日産リーフ。リーフは今でも世界のEV販売台数の約半分を占めている。日本で最初にクリーンディーゼルを売り出したのも日産だった(’08年)! これでなぜ技術がダメみたいなイメージになるのか不思議だネ。可哀そうで涙が出ます。
⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=855634
ところで先日、日本最初のクリーンディーゼル車だったエクストレイル20GTが消滅し、代わりにエクストレイル・ハイブリッドが発売されました。新開発のハイブリッドシステムは、2リッターの147馬力エンジンに41馬力の電気モーターを組み合わせた本格派です。
乗ってみると、これが実にイイ。もともと今のエクストレイルはとってもいいクルマなんだよね。室内は広いし走りもいいし、乗り心地はSUVのなかでも抜群。そのうえ今度のハイブリッドは静かでスムーズ、エンジンフィールもスポーティで気持ちいい。走りの楽しさならプリウスの何倍も上! すばらしいぜエクストレイル・ハイブリッド!
でも、今のエクストレイルって、なんか印象が薄くないか?
愚妻「……見たことない気がする。これ、売れてないでしょ?」
⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=855633

<エクストレイル・ハイブリッド>ちなみに日産は、ヨーロッパ市場では今もクリーンディーゼル車をバンバン売っていて、新型エクストレイルのディーゼル車も売れまくっている。ただしエンジンは完全にルノーの開発だ。日産は現在、ディーゼルエンジンを全面的にルノーに任せています
⇒【後編】「なぜか劣等生扱いの日産に必要なのは少年ジャンプ的わかりやすさだ!!」に続く http://nikkan-spa.jp/855626
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