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清武前巨人GMは“ドッチラケ会見”で何を伝えたかったのか?

清武前巨人GM記者会見

集まった記者はなんと300人超。どんなとんでもない“爆弾”が投下されるのかという報道陣の願いも虚しく、会見は淡々と進み、報道陣の溜め息だけが残った。

日本シリーズ開幕前夜。清武英利読売巨人軍ゼネラルマネージャー(当時)が突如、文部科学省で「読売巨人軍のコンプライアンス上の重大な件」なる会見を開き、読売巨人軍の取締役代表である渡邉恒雄、通称ナベツネの人事介入を暴露した。その結果、球界における一年の総決算とも呼ばれる日本シリーズは完全に蚊帳の外に置かれ、スポーツ紙は連日この“お家騒動”について一面で報じた。

大方の予想を覆し、ドラゴンズが2連勝を飾ろうがホークスが3連勝して王手をかけようが、一面は常に清武かナベツネ。

ある新聞記者は、「これで(ドラゴンズかホークス)どっちかが優勝するまで、一面は巨人のお家騒動だな……」と嘆いていた。

事実、都内で売られたスポーツ新聞の一面は、トーチュウとデイリー以外はこの騒動で持ちきりであった。

その後、ナベツネ氏からも反論があり、この騒動は知っての通り泥沼化。そしてここにきて清武氏が「25日にA4用紙にして10枚の“爆弾”を準備して再反論する」とぶち上げたものだから、新聞、テレビ、雑誌と、あらゆるメディアは飛びついたのであった。

かくいう筆者は熱狂的なドラゴンズファン。俺の大好きなドラゴンズ、落合監督の晴れ舞台を、こともあろうか巨人のお家騒動で日陰者にしやがって!と、怒り心頭。ならばその言い分をしかと聞いてやろうと記者会見に向かったのであった。

会見が開かれた外国人特派員協会は、ウッドフォード元オリンパス社長の記者会見も開かれており、300人を超える報道陣でごった返していた。会見では新証拠によってナベツネ氏どころか巨人軍、ひいては読売新聞すらも吹っ飛ばすとんでもないネタが披露されるのではと囁かれ、会見に先立って報道陣には清武氏からの“紙爆弾”が配られたのだが……

結局、何が言いたかったのか……

配られた“紙爆弾”には訴えたいことが6点あると書かれていたのだが、どこをどう読んでも、縦読みしようがライターで炙ろうが、新事実や新証拠は一切なし。ただ単に清武氏の言いたいことが章立てして書かれているだけ。しかも、これがまた、本当に何を言いたいのかがまるでわからないのだ。一瞬、清武氏は本当に記者だったのか?と、その経歴を疑ってしまったくらいである。

だが、よくわからんというだけでは、筆者も清武氏と同じ穴の狢になってしまうわけで、なんとか足らない脳みそをフル回転して清武氏が伝えたかったことを要約してみよう。

●本当は桃井さんが一番最初にキレたんですよ!
●巨人はナベツネのものじゃないよね!
●ナベツネのやったことは江川さんだけじゃなく、ファンも愚弄してますよ!
●私を解任したのは間違いですよ!

ってなことなんだが、これに加えて、

●ナベツネは嘘つきです!
●訴訟を起こしますよ!

ということも加わり、まぁ、総じていうなら

●ナベツネは球団運営に口出すな!

ってことなワケです。

で、肝心の会見が始まったんだが、始まってから数分もすると「清武氏は延々と配られた紙爆弾の内容を読み続けているだけ……」ということに報道陣は気づき、早くもシラケムードに突入。そして会場はフラッシュの音だけが鳴り響く有様。そして、配られた爆弾を読み切ったところで会見は終了。録音テープどころか新証拠と呼べるものも出てこなかった。その後、質疑応答に移ったのだが盛り上がることなく、数人で終わり。会場には苦笑いする記者たちで溢れかえったのであった。かくいう筆者も、こんなどうでもいいネタに日本シリーズが日陰者にされたと思うと立たぬ腹も再び立ってきてしまった。

この茶番劇とも呼べる会見。会場の中では大手新聞社の記者が会見を聞きながら速報の原稿を書き、テレビ局の中継車がビルの周辺に停まり、物々しい雰囲気を醸し出していた。だが、会見に詰めかけた報道陣は思ったはずだ。そこまでする必要はなかったと……。会場に旧知の記者がいたので話を聞いた。

「新しい事実は、あえて言うなら訴訟すると明言したこと。録音テープや書面があるわけでもなく、結局、言いたいことを言っただけ。しかも配られた紙に書かれていたことを一言一句読み上げただけ。こんなんなら各社にFAXでも送っとけ!と」

後ろを歩いていたどこかの記者たちは、
「わざわざ外国人特派員協会で外人記者集めて日本の恥を晒すなよ……」
なんて毒を吐いてたが、まさにその通り。

否が応でも注目してしまうことには変わりはない。これから先、会見をやるたびに会場にに集まった記者だけでなく、巨人ファンに野球ファン、そして一般市民も呆れていくだけだ。もう、面倒くさいからいっそのことお二方は男らしく殴り合いでもした方がいいのではないかとすら思ってしまったのであった。

文/テポドン(本誌)




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