更新日:2022年08月25日 09:24
恋愛・結婚

中国「婚活サイト」のトンデモ男たち

適齢期男女の数は1億8000万人。選ばれるためには男=経済力/女=若さが必須条件。とはいえ、金持ちならいい、若ければいい、というわけでもない。そんな熾烈を極める中国の婚活市場へアラフォー女性ライター、田中奈美が「金亀婿」を求めて参戦! ※前回の奮闘の模様はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/131076 『中国で「お見合い番組」が大ウケ』 ◆失礼な男たちとのやりとりに辟易――お見合いサイトでの誤算  とにもかくにも登録してみた中国のお見合いサイト。当初こそ、一日40通以上ものメールが届き「モテ期到来!?」と心ときめかせてみたものの、実際にやりとりをしてみると、なにやら微妙にミスマッチが連発する。  まず、中国のサイトの作りが、ストレートなのである。プロフィールのトップには生年月日などの基本情報、職業、月収と並んで、家と車の所有状況及びローンの有無まで表示される。これは男性の結婚条件に必要とされる事項だが、それにしてもあからさまである。  加えて展開がとにかく速い。条件のよさそうな相手に定型文のメールをどんどん送り、返事が来たら1、2通をやりとりしただけで電話番号を交換、条件が合えば「会おう!」となる。  以前、日本のお見合いサイトを利用したこともあるが、サイト内のメール機能で少なくとも1か月ほどはやりとりしたものだった。日本人の感覚だと、すぐに連絡先を交換したがる相手は、「何か下心があるのか」と思ってしまう。  またやりとりの内容も中国のそれはしばしば「失礼」なのである。  例えば40歳、月収3万元という男性から届いたメールに、「自己紹介の中国語が間違っている」とだけ書かれている。「どこか間違ってましたか?」と返事をすると、「『離婚歴』は『離婚履歴』と書くべきで、あなたはもうちょっと中国語を勉強したほうがいい」という。しかし自己紹介の文は、中国人の友人に書いてもらったものだ。そのことをメールすると、「あなたの友達には失望した。私は日本人女性が大好きなんだ」。
中国のトンデモ男

イラスト/安田はつね

 あるいは46歳、月収5万元以上という男性は、自身の写真は掲載してもいないのに、「あなたは写真を1枚しか載せていない。もっと掲載しなさい」というメールを送ってきた。  ケータイの番号を伝えた相手から電話がかかってきて、開口一番「ヒマ?」と問われたこともあった。中国では電話口で名乗らないのも珍しいことではないが、あまりいい感じはしない。「ヒマじゃない」と答えると、電話はそのままガチャンと切れた。  一般にプロフィールの月収が上がるほど、「オレ様度」が高まる傾向があるように思う。  38歳の起業家だという男性からは、「愛のパートナーが欲しい」というメールが来て、返事をしないでいると、「なんで返事くれないんだ。私は資産価値6500万元以上の企業のオーナーなんだ。ただ、愛のパートナーが欲しいだけなんだ」と催促のメールが届く。 「私はあなたの企業にもお金にも興味ないし、あなたとは合わないと思う」と返すと、さらに送られてきた返事は、「あんた、そんなんだから、結婚できないんだよ」。  それはたぶん、お互いさまである。  根本的なコミュニケーションがかみ合わないということも、しばしば生じる。  あるとき、44歳、月収2万元という男性から、「前妻との間に子供がいるが、前妻が隠しているので会うことができない。必ず取り戻そうと思う。あなたとの間にも子供が欲しい」という趣旨の長いメールが届いた。  返事をせずにいると、2通目が届き、そこにはプロフィールの趣味や生活習慣の項目を書き出し、私が書いた内容と自分の状況を併記して、「僕たちはこんなに気が合いそう」とあった。思わず、子供を隠している前妻に同情する。 「条件が合いそうもないのでごめんなさい。早く幸せが見つかるようお祈りしています」という定型文のお断りを送ったところ、「ありがとう! もちろん自信はあるよ!」と返って来た。 そういう意味ではないのだが。  またあるとき、ケータイが壊れ、着信があると電源が落ちるようになってしまったことがあった。そこでケータイの番号を伝えた相手には、「ショートメッセージかネットでチャットをしましょう」とメールをしたのだが、それでも何度も電話がかかってくる。そのたびに私のケータイは電源が落ちて充電するはめになる。  いい加減、うんざりして放置していたら、次に届いたメールは「なんで電話に出ないんだ!」というものだった。  ほかにも、明らかにお断りのメールを出しているのに、「返事が来るというのはOKなのか」と聞く人もいれば、返事を出さずにいると、「日本人は礼儀正しいんだろ。なぜ返事しない」と怒る人もいる。 ⇒『婚活は「条件OKなら即会う」が中国流』に続く https://nikkan-spa.jp/131078
婚活サイト

近年、ネット婚活の認知度&人気度は上昇。サイト運営会社が婚活番組とタイアップしたり、大規模パーティを主催したりしている。中国の大手お見合いサイトの一つ「百合网」。同サイトの創立メンバーの一人で副総裁の慕岩氏によれば、ネット婚活での成功のコツは、「あまり資料ばかり眺めてないで、条件が合いそうならできるだけ早い段階で会うこと。そして何人か同時進行しつつ、付き合うときは慎重に相手を見極めること」だそうである

― アラフォー♀ライターが中国でマジ婚活をやってみた!【4】 ―
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