恋愛・結婚

婚活は「条件OKなら即会う」が中国流

適齢期男女の数は1億8000万人。選ばれるためには男=経済力/女=若さが必須条件。とはいえ、金持ちならいい、若ければいい、というわけでもない。そんな熾烈を極める中国の婚活市場へアラフォー女性ライター、田中奈美が「金亀婿」を求めて参戦! 前回は、満を持してお見合いサイトに登録したものの、失礼な男たちとのやりとりに辟易してしまったが…… ※前回の奮闘の模様はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/131077 ◆現実的な中国では「まずは会ってみる」  これでは「マジ婚活」のはずが「中国トンデモ男探し」になってしまう。そもそも「いいかな」と思う相手でも、速攻で電話番号の交換などとなるため、どうしても慣れない。なぜこれほどまでに急ぐのか? そこで、中国の大手お見合いサイト「百合网」副総裁、慕岩氏に話を聞いてみた。 「まず第一に中国人は相手を理解するには、できるだけ早く直接会ったほうがよいと考える傾向があるんです」  中国社会は全体的に不信感でいっぱいだ。日常生活でも「どこでだまされるかわからない」というリスクがある。数年前、道端で倒れていた老人を助けたら、言いがかりをつけられ、高額の慰謝料を請求されたという事件もあった。  人との付き合いは内と外に分けられ、身内など内側の者以外には決して気を許さない。そんな社会ゆえ、バーチャルなネットの信用性は概してとても低い。だから「さっさとリアルに持ち込もう!」という話にもなるのだろう。 「加えて、中国人は現実主義な人が多い。写真や学歴、職業などを見て、条件が合えばまあOKという感じ。なかには、電話やチャットでやりとりをする人もいますが、メールのやりとりは、まだるっこしいと感じる人のほうが圧倒的に多いでしょうね。ですからネットでいい人と出会うコツは、できるだけ早く多く、リアルで会ってみることです」(慕岩氏)  なるほど、これでは超スピーディなやりとりになるわけである。しかし、相手をろくに知らずに会って危険はないのか。そんな私の疑問は愚問のようで、中国人の友人は「最初は人の多い喫茶店で、さっさと会えばいいのよ」とキッパリ。やはり現実的なのである。  思うに、日本人はメールのやりとりをしながら、相手のコミュニケーション能力を測り、同時に相手の内面を探る。「会う」というのはその次の段階だ。  一方、中国人は“条件”が第一で、早いうちにどんどん会って、より条件がよく、まあまあ気も合いそうな人を取捨選択してゆく。「あら、違ったわ」となれば、さっくりと断るか、黙ってフェイドアウトする。  他人の目線などほとんど気にならないお国柄ゆえ、断ることへのハードルも低い。自分が「いい人」と思われたいという発想はなく、 「断って申し訳ないかな」などと後ろめたく思ったりすることもあまりない。よくいえばドライ、悪くいえば自己チューなのである。  ただそれでもやはり、婚活に対するこの“速さ”は、社会の変化も無関係ではないように思う。  知人の中国人ビジネスマンは、「経済が発展し、豊かになるチャンスが増えた。今の産業構造では、一攫千金も夢ではない。隣人が豊かになれば自分もまたそうなりたいと思うのは当然だ。チャンスがありそうなことにはいろいろ手を出して、摑まなくては、という焦りがある」と言う。  中国には今、刹那的で打算的、利益主義的ムードに加え、目の前の利を摑まなくてはという焦燥感が漂う。そんな焦りが婚活にも表れているのではないだろうか。  また、同時に、急にやってきた自由も無関係ではないように思う。  30歳で北京に店を開いた独身男性はこう語った。 「急激な発展のなか、突然、あらゆるものの選択肢が増えたんだよね。音楽ひとつとっても、ネットには世界中のありとあらゆる音楽があり、好きなだけ聞くことができる。でも、そうなると、逆に自分が本当に好きなものが何か、よくわからなくなっちゃうんだよ」 ⇒『「家を買えない男は結婚できない」中国のシビアさ』に続く https://nikkan-spa.jp/131079 ― アラフォー♀ライターが中国でマジ婚活をやってみた!【5】 ―
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ