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名古屋嬢ってまだいるの? 彼女たちが残したイメージに悩まされる名古屋の人々

―[大名古屋論]―
経済は安定、メシは旨い、魅力がないと小バカにされるが、住めば都の住み心地……なぜかバカにされ続ける名古屋の底力、真の姿に迫った。

名古屋嬢の残した残像に今も悩まされる名古屋の流行

名古屋城「名古屋には東京の三社祭や岸和田のだんじり祭、博多どんたくなどの伝統的な祭事はありません。そのかわり、’03年から始まった世界コスプレサミット(通称:WCS)などの新しい文化やイベントが生まれ、定着しています。特にWCS開催中の2日間は地上や、広い地下街も世界中から集まったコスプレイヤーが埋め尽くします」  そう語るのは『Cheek』など、多くの地元発信の雑誌を手掛けてきた金森康浩氏だ。 「当初は地元でも懐疑的でしたが、年々盛り上がりを見せ、今では多くの協賛企業が集まり、経産省などの官公庁の支援もあり、名古屋にしかない文化的事業として知られています」  名古屋といえば、名古屋巻きという髪形をした名古屋嬢など他地域と違う流行があるといわれているのだが、近年は至って普通だと金森氏は言う。 「デカデカとロゴが入ったブランドものを着る人は40代以上で僅かに散見されるだけ。いわゆる名古屋嬢も10年以上前の流行です」 女性 ファッションも東京、大阪と同じようなモノがはやるなど、「若いコはSNSなどの発達で、他地域とタイムラグがなくなった」という。それでも、名古屋といえば今も名古屋嬢のイメージが、まかり通っていることについて、金森氏は苦笑交じりにこう語る。 「熊本の人に『毎日馬刺し食べるの?』って聞くのと同じです」  名古屋嬢が名古屋のカルチャーに及ぼした影響はあまりにも大きかったのである。 【金森康浩氏】 ’76年、名古屋市生まれ。クリエーティブディレクター。地元情報誌『Cheek(チーク)』(流行発信刊)など、さまざまな雑誌の編集長や地域おこしイベントのプロデューサーなどを歴任する
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