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名古屋城、レゴランド…名古屋の観光地が人気がない理由

―[大名古屋論]―
経済は安定、メシは旨い、魅力がないと小バカにされるが、住めば都の住み心地……なぜかバカにされ続ける名古屋の底力、真の姿に迫った。 名古屋

名古屋駅再開発に名古屋観光の命運がかかっている!

 今年、4月1日に鳴り物入りでオープンした「レゴランド・ジャパン」に対し、高額な入場料などを理由に批判が集まったのは記憶に新しい。昨年、名古屋市観光文化交流局が行った「名古屋で訪れたいところ」のアンケートでは、名古屋城の次が「特にない」というシビアな結果が出るなど、とかく観光に関しては厳しい現状だ。ジャーナリストの関口威人氏は、その原因を「製造業以外を軽視する土地柄」にあると指摘する。 「“ものづくり”に誇りを持つ半面、観光やデザイン分野などは肩身の狭い思いをするのが名古屋。企画やアイデアにお金が回らず、柔軟な発想をもつ人材も集まらないので、産業として成長しないのです」  観光が軽く見られてきたことは、その立地や交通案内にも見受けられるという。 「名古屋城やトヨタ関係の記念館ですら、車以外でのアクセスや交通案内、英語対応などは決して十分ではありませんでした。『わかる人にだけわかればいい』という気質があることは否めません」  戦国の三英傑ゆかりの地であったり、日本屈指の芸どころであったりと観光資源はあるものの、アピール下手が災いし、外国人観光客にも中部国際空港から京都や飛騨高山へ向かう“名古屋飛ばし”をされてしまう。 「名古屋城の木造天守閣復元も、賛否両論があってうまくいっているとは言えません。そうしたなかでカギを握るのは、名古屋駅再開発でしょう。東口のオフィス街とは対照的に、西口には戦後闇市からスタートした雑多な市街が残っており、いわば丸の内と歌舞伎町が表裏一体となった雰囲気があります。双方のよさを生かした再開発が成功すれば、観光の目玉として最大の武器になるでしょうね」  ポテンシャルを生かしきれれば、行きたくなる街ナンバーワンになる日も遠くないだろう。 【関口威人氏】 中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で環境、防災、科学技術などの諸問題を追い掛けている
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