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「名古屋めし」が世界へ! 庶民派グルメがタイで大流行のワケ

―[大名古屋論]―
経済は安定、メシは旨い、魅力がないと小バカにされるが、住めば都の住み心地……なぜかバカにされ続ける名古屋の底力、真の姿に迫った。
味噌カツ

飲み屋で常連が「串カツにおでん味噌かけてちょ~」から始まったとも言われる味噌カツ

庶民派グルメの最高峰・名古屋めしが今、世界に羽ばたく!

 名古屋めしという一つのジャンルとして全国区の市民権を得た、名古屋のローカルフードの数々。だが、味噌カツ、味噌煮込み、小倉トースト、天むすなど、名古屋めしのほとんどはその歴史は浅いという。名古屋めしに詳しいライターの永谷正樹氏に聞いた。 「実は名古屋めしの歴史は浅く、きしめんが一番古くて400年ほどの歴史があるくらいで、ほかの名古屋めしはせいぜい50~60年程度。また名古屋めしの多くはもともと家庭料理で、例えば味噌煮込みうどんもそうです。そうした家庭料理を店で出すためにブラッシュアップしているわけです。いうなれば大衆文化、庶民文化の最高傑作が名古屋めしともいえます」  そんな家庭料理が昇華した名古屋めしだが、今ではその人気が世界に飛び火しているという。 「手羽先で有名な世界の山ちゃんがタイに進出したのですが、あの甘辛いタレとクリスピーな食感が大いにウケ、今では日本食レストランには必ず名古屋風手羽先があります。ほかにもカレーのCoCo壱番屋、台湾まぜそばなども現地では人気です。特にCoCo壱番屋はバンコクの高級デパートにあり、オシャレして食べに来る現地の人で賑わっています」  永谷氏の分析によれば、“甘辛い”味付けの名古屋めしは“辛甘い”料理の多いタイで受け入れられやすかったという。 「もともと、山ちゃんの手羽先はタイの鶏を使っているので、現地で食べると、これがまたジューシーで本当に旨いんです」  日本食はタイでは高級料理。そのため、しっかりとキメてやってくるタイ人が多いという。世界に羽ばたき、名古屋めしはさらに進化しているのだ。 世界の山ちゃん【永谷正樹氏】 ’69年、愛知県生まれ。名古屋在住のカメラマン兼ライター。豊富なグルメ取材経験から、’07年より食のイベント『一宮モーニング博覧会』のアドバイザーも務めるなど、名古屋めし関連のイベントで活躍中 写真/永谷正樹
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