更新日:2022年12月28日 18:20
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睡眠時間30分!T-ara発言の真相とは?

これまでボンヤリとK-POP前線を俯瞰してきた小誌記者・スギナミ。ライブ会場に足を運んだり、握手会に参加するほどの情熱は持てなかったものの、ついにその壁を打ち破るグループが現れた。第二世代ガールズユニット最強の呼び声高い韓流新女王・T-araだ。焦燥感を抱いたスギナミは、先日開催された日韓合同のファッションイベントKISS(KOREAN INTERNATIONAL STYLE SHOW)にてT-araのライブを初体験。その魅力を五感で十分に満喫……したはずだったのだが、どうにも腑に落ちない点があった。素人目に見て、明らかにパフォーマンスに精彩を欠いているように見えたのだ。当初は「前のめりにアピールしてくるウンジョン不在が失調の原因か?」とも思ったのだが、その後のT-araウォッチングを続ける中で、どうにも看過できない事態が発生していることに気付いたのであった……。  ⇒前半はコチラ「韓流新女王・T-araライブ密着レポート」  T-araのパフォーマンスに元気がない!
T-ara

昨年、韓国で一番売れた「Roly Poly」を披露するT-araのメンバーたち。(写真左から)ファヨン、ボラム、ヒョミン、ジヨン、ソヨン、キュリ

 その理由の一端を感じたのは、ライブの翌日に放送されたJTBC『アイドル試写室』に出演したT-araのボラム、ソヨン、ヒョミンのこんなコメントだった。  事務所社長に望む点は? という司会者からの質問に対して「デビューしてから今まで一度もまとまった休暇が無い」、「特にここ1年は、一日も休みが無い」と明かしていたのだ。  以前にもテレビ番組で「一日の睡眠時間は30分~2時間」と明かしていたT-ara。人気アイドルの宿命……というにはあまりにも多忙すぎるが、ウンジョンの骨折、ヒョミンの脱毛症、ジヨンの生放送中の号泣、そしてファヨンの乳首ポロリなど追い打ちをかけるような事件がここ最近、立て続けに起こっているが、これも睡眠不足とは無関係ではあるまい。なぜこんな事態に陥ってしまっているのか。K-POP事情に詳しい『韓流エンタメ日本侵攻戦略』の著者・小野田衛氏は以下のように語る。 「そもそもメンバーがテレビでこの手の発言をすること自体がT-araらしいともいえます。というのも、事務所の管理がバラエティ番組での発言にまで徹底している少女時代のメンバーが同様の発言をすることは、まずありません。模範的優等生の少女時代に対して自由奔放なT-ara。その分、『態度が悪い』、『疲れを顔に出すな』などの非難も受けたこともありますが……。 T-araに限らず、韓流スターたちの睡眠時間が短いのはほぼ当たり前の話で、こんなエピーソードもあります。韓国の大物歌手Rain(ピ)がプロデュースするということで、デビュー当時から注目を集めていたMBLAQというグループがいます。彼らは先輩のRain(ピ)からの助言で印象に残った言葉として『睡眠は死んでから取れ』、『今寝なければ夢を叶えることができる』を挙げていました。このように、睡眠時間を削ってまで練習に打ち込む姿勢が美徳とされる韓国文化の特徴というものが、まず問題の根底にはあるわけです」  韓国芸能界のデビュー前の練習生期間の厳しさは有名だが、T-araはすでにデビューして3年。いつまでハードな生活を強いられなければいけないのか。実際、ネット上のファンからは「点滴を一日3本も打たせて仕事させるなんて鬼畜かよ。ジヨンが過労死したらどうするんだ!」、「ヒョミンがどんどん痩せていく!」、「日本語の勉強させるのは嬉しいけど、その暇があったら睡眠を取らせてくれ」など、怒りにも似た悲鳴の声が数多く上がっている。 「T-araは所属事務所コア・コンテンツ・メディアのキム・グァンス社長の方針もあって、歌、ダンス以上にドラマ、映画での女優活動にも注力させようとしています。スケジュール管理の杜撰な韓国ドラマ・映画の撮影を、普段の音楽活動と並行して行うのはたいへんなことです。その合間を縫って歌やダンスの練習、さらには台本読みにも明け暮れるわけですから、睡眠時間が30分というのも不思議じゃありません」  東南アジア各国から欧州まで。世界進出が盛んなK-POPアイドルたちは長距離移動の手間もバカにならない。それでも当の本人たちにとっては、移動中につかの間の睡眠を取れるだけ幸せなのだろうか……。 「祝祭や学園祭、企業プロモーション、ファンミーティングなど、たいした収入にもならないドサ回り的な動きをいまだに詰め込んでいるのも多忙に拍車をかけている一因だと思われます。コンサートの収益、CD販売の印税だけでは、これまでの投資分を回収できないのです。これは韓国芸能の関係者たちにとって、今のK-POPを中心とした韓流ブームがいつまで続くか? といった焦りのようなものが、短期回収路線に向かわせているとも言えますが……」  アイドルに求められることが多様化するいま、その弊害はアイドル個人の肉体と精神を確実に蝕んでいる。もちろん日本のアイドルグループにとっても対岸の火事ではない。事務所の締め付けが韓国よりは弱いとはいえ、キャバクラ商法ともいわれる握手会は、ぱすぽ☆の生キス会、ハグ会などに代表されるように過激さを増す一方だ。  ろくに睡眠も取らず頑張っている姿に胸を打つことがあるのも確かだが、一ファンの心境としては、「T-araにもっと休みと睡眠を!」、「元気な状態で元気なパフォーマンスを見たい」というのが本音だ。T-ara、ファイティン! <取材・文/スギナミ 画像/Kiss実行委員会> 【参考図書】韓流エンタメ日本侵攻戦略』(小野田 衛・著 扶桑社新書 本体720円+税) 日本の若者たちはなぜK-POPに熱狂するのか?日本人が知らない韓流ビジネスの正体、韓国芸能界の裏側を徹底した現地取材をもとに考察。
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