ネットビジネス勝者の裏にいる大多数の“負け組”たち…彼らに希望はあるのか?
ブロガー、インフルエンサー、YouTuber……「インターネットで稼ぐのが当たり前の時代」といえど、勝者はほんの一握りといわれる。その裏には大多数の負け組たちいるのだ。
ネット業界の栄枯盛衰を長年ウォッチしてきた、中川淳一郎氏はネット副業が底辺化しやすいことについて、どう見ているのか。
「ネットでマネタイズが成功している人なんて、全体の0.1%程度でしょう。2017年1月に、某大手運送会社に抗議すると言ってチェーンソーを持って乗り込んでいったYouTuberを覚えていますか? 彼があの日までの7年間で稼いだのは推定47万円。彼もそれなりの知名度はあったはずだけど、結局そんなもんなんだよ」
それでもネット副業に魅せられる人が後を絶たないのは、満員電車に揺られる毎日から解放されるという、わずかな望みをかけているからだろうか……。
「スポーツ選手でたとえるとわかりやすい。例えば高校時代の大谷と対戦した高校球児は、上には上がいると否が応でも知ることができたでしょう。でもネットの世界は違う。30歳過ぎてまで一度も社会的に勝ったことのない人たちが、根拠のない自信を持ってチャレンジできてしまう。
結局、彼らは搾取される側の人間。アフィリエイトにしろ、インフルエンサーにしろ、仕組みをつくった勝ち組にせっせとお金を送り届けているだけなんだよ。しかも、プラットフォーム側はそいつが気に食わなければ報酬規定を勝手に変えることもあるからね」
それでも、ネット副業を成功させるには何をすれば良いのか。
「結局のところネットは、富める者がさらに富む世界。その中で一般人が稼ぐには知名度を上げるしかないんだけど、はるか上のほうではすでに、もともとの著名人たちが熾烈な縄張り争いをしている。まさに象と蟻ですよ。彼ら強者と対等に渡り合おうとするならキーワードは2つしかない。
それは『ニッチ』と『スピード』です。まだ無名のSNSやアプリ内でトップに立ち知名度を上げる。事故や事件や流行のネタを、すぐにニュース記事にしてアップしクリック数を稼ぐ。そんなことをやり続け、月にいくらかのお小遣いを稼ぐのが関の山でしょう」
大多数の人は、ネットでも現実世界でも身を粉にして働く運命から逃れられないのだ
【中川淳一郎】ネットニュース編集者
ネットニュース編集者、ライター。インターネット業界の趨勢に詳しい。著書に『ウェブでメシを食うということ』(毎日新聞出版)、『ネットは基本、クソメディア』(角川新書)など
<取材・文/SPA!ネットDe副業研究所>
― 負け組が激白[ネット副業は生き地獄]だった! ―
ネットは負け組が一発逆転できるような世界ではない
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