仕事

会社に評価されない50代サラリーマンの生きがいは1位趣味、2位家族…そこに希望は?

「逃げ切り世代」と呼ばれたはずの50代の足元が揺らぎ始めている。今年6月、損保ジャパン日本興亜が介護事業を手がけるグループ企業への配置転換も含めた4000人の人員削減を発表し衝撃が走った。50代に今、一体何が起ころうとしているのか? 逃げ切れない50代の末路

趣味や家族と仕事を繫げてモチベーションを再回復!

Q.今の生きがいは何ですか? (「会社に嫌われている」と感じている50代社員500人アンケート、当てはまるもの3つまで回答) ・趣味 242人 ・家族 220人 ・それでも仕事 68人 ・お酒 58人 ・定年まで耐えること 55人 ・生きがいは何もない 52人 ・友人や恋人 48人 ・副業 18人  会社から嫌われた50代に希望はあるのか? 上のアンケートを見て全識者が愕然としたのが、「それでも仕事」に生きがいを感じる人が1割強(68人)しかいなかったこと。一方、突出しているのが「趣味」(242人)と「家族」(220人)だが、それも仕事とリンクさせることが重要だと経営学者の山本寛氏。 「仕事と生きがいを切り離せばいいという問題ではありません。誰からも期待されないと、社会的な孤独感に苛まれることになる。大切なのは、趣味や家庭を通じてやる気を取り戻し、前向きに仕事に臨めるようにすることです」  つまり、趣味や家族はモチベーション復活の“入り口”なのだ。 「無趣味なら、同窓会などで旧友に会うのもオススメ。会社ムラから越境して自分を客観視することで、生きがいを取り戻すのです」(人材育成を支援するFeelWorks代表の前川孝雄氏)  家族から仕事への好循環を促すなら、思い切ってIターンで新しい環境に身を置くのも手だ。さらに、自分の価値を社外に問うという直接的な方法もある。 「社内の評価に不満が募るからやる気がなくなる。しかし、だからといって50代の経験やスキルが無価値というわけではない」(組織コンサルタントの堀公俊氏)  目をこらせば、50代にも希望は「ある」のだ。

希望1 趣味に生きる

 趣味で50代から人生が好転する。そのメカニズムについて、会社員の傍ら川柳コンクールの審査員も務める千流太郎さん(ペンネーム・58歳)に話を聞いた。 「私は大手メーカーに新卒で入って、今年で勤続35年目になります。技術職採用だったのですが、50歳で開発部から総務部へ異動となり、『エンジニアとして終わった』と仕事のモチベーションを完全に失っていました。そんなときに出合ったのが“川柳”でした」  同窓会で旧友から手ほどきを受けると、どっぷりとハマった。 「で、面白いのが、川柳という視点から見ると、まったく興味が持てなかった総務や人事が、ネタの宝庫に見えてきたんです。それからは出社が憂鬱ではなくなりましたね。3年間で1500句は詠みました」 「千流太郎」のペンネームで句集を刊行すると、川柳コンクールの審査員の依頼まで舞い込むように。 「それまでは現場ひと筋でエンジニアとしての視点しかありませんでしたが、趣味を持ったことによって視野が広がりました。だから、気持ちに余裕ができて、表情も明るく穏やかになり、仕事も人間関係も好転し始めたんです」  ユーモアを交えて相談に乗る千流さんは、今では職場のよき潤滑油。これも趣味の効用だが、「やるなら本気で」とアドバイスする。 「どんなことも本気でやれば仕事との共通点が見つかる。そこに気がつくと、仕事も面白くなる。片手間では結局、趣味も仕事も中途半端になるだけだと思いますよ」 <50代はつらいよ!川柳> ・50代 社畜は家畜に なりました ・気がつけば 部下が上司だ 怠けるぞ ・リストラが トラウマよりも 怖い日々
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Iターンで家族と生きる
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