シニア求人、10~20年後の未来予測。どんな仕事がある?
シニア人材の活用が注目されるなか、「定年後も働く時代」との考えが広まりつつある。今の現役世代がシニアと呼ばれる頃、はたしてどんな仕事があるのか。また、そのために何をすべきなのかを真面目に考えてみようーー。
「人生100年時代」「70歳定年」と叫ばれて久しい昨今、シニア人材市場が賑わっている。マクドナルドやローソンがシニアバイトを積極的に採用し始める一方で、人材派遣会社・パソナが60歳以上の人材を「エルダーシャイン(社員)」として大量採用。大企業が率先し、シニア獲得を進める現状に対し、人材育成コンサルティング企業代表の前川孝雄氏はこう語る。
「少子高齢化による人材不足を補うため、シニア層の活用は各社の企業課題になっています。現在、高齢者雇用安定法では65歳までの継続雇用が企業に義務付けられていますが、今年、政府は今後この法律を70歳まで延長する方針だと発表。シニアが働く時代に突入したと言えます」
では、シニア向けにどんな仕事が生まれつつあるのか。1000人以上の登録者を持つシニア人材派遣会社・高齢社の代表取締役社長である緒形憲氏に聞いた。
「傾向としては、土日や深夜早朝勤務など若い人が負担と思う業務を、シニアが代わって働くケースが多くなっている。最近増えているのはレンタカーの受付。早朝などの要員として、シニア層が求められています。あとは、家電修理などの訪問時に、駐車違反対策のため運転席で待機する家電修理サービス補助。負担が少なく、高齢者も活躍できます」
シニア人材の需要が増えるなか、「10~20年後の日本社会では、“シニアも働かざるを得ない時代”になる」と前川氏は続ける。
「今の40代前後は非正規雇用が多い。さらに年金も少ないので、生活費を補塡するためには、働くしかありません。70代どころか、80代まで働く可能性も高いです」
さらに、自らも70代ながら、シニア人材を束ね、コンサル会社を経営する中原千明氏もこう語る。
「いまのシニアが働かずに暮らせるのは、高額な年金と退職金のおかげです。現在の中年世代がシニアになる頃には、生涯働くのが一般的になり、『定年』『シニア』という概念はなくなるでしょう」
80代も働く時代に、現役世代は何をするべきか
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