筋力が落ちると病気のリスクが上がる!? 1日2分で筋肉を強くする方法
最近よく耳にする「人生100年時代」という言葉。
長生きする人が増加しているわけだが、長く生きることで「体を動かす筋力の低下」「体を支える骨の強度の低下」といったことが問題になってくるのだ。どちらも加齢とともに衰えていくので、長生きするほど、自力で歩けなくなる、転んで骨折するなどの問題が起こりやすくなる。
「加齢による筋肉の衰弱を「サルコペニア」といい、筋肉が細くなるだけでなく、細胞(筋幹細胞)の数自体が減っていきます。特に体重を支える太ももの前部やお尻の筋肉などは衰えの進行が速く、80歳では若い頃の半分程度に。
例えば、若い頃に床から片脚で立ち上がれない人は、80歳では自立して生活するのが困難になるわけです。そうなると、100歳になる頃にはさらに弱まる可能性もあります」(谷本道哉先生)
そして、筋肉は鍛えれば何歳からでも強く、大きくすることができる。その有効な手段がずばり「筋トレ」。
ここでは、仕事の合間に、気分転換としても行える、座ったままできる谷本先生オススメの筋トレをご紹介しよう。
<座ってできる腹筋運動「ニートゥチェスト」>
脚を前に振り出す腸腰筋、大腿直筋も鍛えることができる。体幹の姿勢をしっかり支えるために腹筋は重要。また、脚を前に振り出す腸腰筋の衰えは、歩行速度の低下と強く関係する。シャキシャキと元気に歩き続けるために、しっかり鍛えておこう。
【やり方(通常レベル)】
(1)椅子に浅く座り、ひざを胸まで抱え込む
椅子の前のほうに浅く座ります。両手は椅子の後ろを持ちます。ソファの場合は手を前に置いてください。背もたれに背中を預けてもOK。腰がラクな姿勢で。ひざを胸に向かってしっかりと引きつけます。
(2)脚を伸ばして前に置く
両脚を前に伸ばして、そっと床に置きます。「1秒でひざを引きつけ、2秒で脚を伸ばす」くらいの速さで。ややゆっくりめに丁寧に動作しましょう。
【ポイント】動きが小さくならないように
丁寧な動きで10~15回程度、できるだけの回数を繰り返します。ひざを引きつける動きを小さくしたり、勢いをつけて上げたりしないように。動きをごまかして無理に15回行うくらいなら、しっかりと丁寧に10回行ったほうがよいでしょう。
【Easy(レベルダウン)】ひざを曲げて行う
通常の方法で15回行えない場合は、ひざを曲げて脚を小さくたたんだ姿勢で上げ下げをするといいでしょう。ひざを小さくたたむほど、負荷は軽くなります。これが難なくできるようになったら、行うレベルを上げていきましょう。
【Hard(レベルアップ)】ノンロックスロー法で
通常の方法で15回がラクに行える場合は、レベルアップした方法に挑戦しましょう。動作をゆっくり、「2秒で上げて、2秒で伸ばす」ようにします。また、脚を伸ばした際に、床に足を着けないようにします。動作中、力を入れ続けるのがポイントです。途中で力を抜かないように。
簡単な動きだが、1日2分続けるだけで実感できるはず。
「ところで、よく『筋トレはたくさんやれば、やるほどいい』と思っている人がいますが、それは誤解です。筋トレの効果を上げる標準的な方法は『10回程度で限界になる負荷で、反復できなくなるところまでしっかり追い込む』ことです。つまり、大事なのは『適切な負荷』であって、『回数』や『時間』の多さではないのです」(谷本道哉先生)
※参考「毎日4分で超快適!超ラジオ体操」
ラジオ体操第1に谷本先生がより効果が上がるようにアレンジを加えた新しい体操。1日4分弱の体操で“快適な体”つくりができる。「体力や筋力アップ」のための筋トレ紹介も
<文/日刊SPA!取材班 撮影/難波雄史>
●谷本道哉(たにもと みちや)
近畿大学生物理工学部准教授。大阪大学工学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国立健康・栄養研究所等を経て現所属。専門は筋生理学、身体運動科学。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などでも運動の効果をわかりやすく解説している。近著「毎日4分で超快適!超ラジオ体操」
でも、筋肉も骨も対策をしっかりすれば、衰えを抑えることがでる。
そこで、NHKの番組『みんなで筋肉体操』でもおなじみの近畿大学准教授・谷本道哉先生に、「年齢に逆行して強くすることも可能!」な、筋トレの考え方について教えてもらった。
筋力が落ちると病気のリスクが上がる!?
1日わずか2分の筋トレで筋肉は強くなる
『毎日4分で超快適! 超ラジオ体操』 国民的に支持されているラジオ体操に工夫を加えて、さらに効果をアップ。今日から始めれば、超快適な体に! |
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