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南野拓実のボールを持たないときのスゴさ

 サッカー日本代表FW南野拓実(レッドブル・ザルツブルク=オーストリア1部)が絶好調だ。今月3日に行われた欧州CL・対リヴァプール戦では敵地・アンフィールドで1ゴール1アシストの大暴れ。UEFAが選出する第2節のベストイレブンに堂々の選出を果たすと、先日行われたカタールW杯アジア2次予選のモンゴル戦、タジキスタン戦でも計3ゴールを記録。クラブでの好調そのままに、日本の“新エース”と呼ぶに相応しい活躍を披露した。  森保監督就任以降の南野の得点数はチームトップの10。この2次予選に限っても、全3試合で4ゴールを決めている。いやがおうにも注目が集まる状況だが、彼の強みは単純なシュートの精度だけではない。

質の高い動き出しは歴代代表FWのなかでも屈指

 今回南野が決めた3つのゴールは、いずれも相手DFの枚数が十分に足りている状況でのものだった。ましてやシュートを打ったのはすべてペナルティエリア内のゴール近く、あるいはゴール正面付近だ。相手DFのマークが最も厳しい場所であり、格下相手とはいえ通常はなかなかフリーにしてもらえないエリアである。そんな密集地帯で3点とも“相手のマークを外してフリーで決めている”という点にこそ南野の特徴が表れている。  タジキスタン戦では、日本のアタッカー陣は相手の粘り強いマークに手を焼いた。強引に打ちにいって、相手のブロックに遭う場面も多く見られた。  そんな展開の中でも、南野のゴール前でのマーク外しの技術は一級品だった。ボールを持った味方の利き足や体勢、所作、さらには相手DFのマークの付き方などによって、ラストパスが出てくる場所とタイミングを瞬時に判断。絶妙な間合いでマークを外し、ボールを引き出す。今回の3点すべてがそうであったようにワンタッチでのゴールが圧倒的に多く、それもこの上質な動き出しの技術があってこそのものだ。  今回対戦した2チームは格下の相手ではあったが、冒頭で触れたCLの試合でも、南野の鋭い動き出しはリヴァプールの脅威となっていた。ゴールシーン以外でも、南野が絶妙なタイミングで危険なスペースに飛び出すことで相手マーカーが釣られ、味方が走り込むスペースを創出した場面が何度もあった。  動き出しの質・タイミングが完璧だからこそ、必ずしも南野が受けられなくても、二次的に味方が飛び込むスペースが生まれ、チャンスを増やすことができるのだ。
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日本代表でこそ磨かれる前線での繋ぎ
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フリーライターとして雑誌、Webメディアに寄稿。サッカー、フットサル、芸能を中心に執筆する傍ら、MC業もこなす。2020年からABEMA Fリーグ中継(フットサル)の実況も務め、毎シーズン50試合以上を担当。2022年からはJ3·SC相模原のスタジアムMCも務めている。自身もフットサルの現役競技者で、東京都フットサルリーグ1部DREAM futsal parkでゴレイロとしてプレー(@yu_fukuda1129

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