更新日:2023年05月15日 13:11
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<純烈物語>『涙の銀座線』のPVを見せられた時、 後上翔太は痔のCMかと思ったが口には出せなかった<第24回>

<第24回>『涙の銀座線』のPVを見せられた時、痔のCMかと思ったが口には出せなかった

「会う順番が先にリーダーだったら『何言ってんスか。そんなの無理ッスよお!』で終わっていたんです」  自分の進むべき道を見つけられぬ日々を送っていたある日、後上はギャル男の先輩に当たる人物から連絡があり「おまえ、身長はいくつだ?」と聞かれた。「180cmぐらいッスかねえ」とテキトーな感じで答えると「そうか。じゃあ明日事務所に来てくれ」とのこと。  芸能事務所をやっている先輩の配下には息のかかった後輩が何人かいて、よく招集をかけては「デカい荷物が届いたから荷解きを手伝え」「ゴミが溜まったから捨てにこい」というように都合よく使っていた。後上はその中のワン・オブ・ゼムだった。背丈を聞かれても「電球の取り換えでもやらされるのかな」ぐらいにしか思わず、いつもの調子でオフィスへと向かった。ところが、着くやいなや応接室へ通される。  そんなことはこれまでなかったから「俺、なんかまずいことやったっけかな?」と構えていると、部屋にあったテレビに何やら音楽のプロモーションビデオらしきものが流された。それが、カズ酒井と東京ダンディ・バージョンの『涙の銀座線』だった。 「あのPVには台車に乗ったカメラマンが撮ったブレブレの映像があるらしいんですけど、僕が見せられたのはボラギノールのCMみたいに、歌っている映像の合間にレッスンシーンの横顔写真が挿入されるという編集だったんです。どうだ?と言われて『痔のCMですか? 曲もダサいし』と思っても言えないじゃないですか。  でも先輩たちの顔から明らかに自信満々で見せているのがわかったんで『なんか、シブいッスね』と。そうしたら『そうか。おまえ、これやりたいだろ?』と言うんで『やりたいってどういうことだ? あー、俺もいよいよ芸能関係まわりのお呼びがかかったか』と、その時点では思いました」  つまり、その事務所のスタッフに誘われたと後上は解釈した。それにしてもこのPVはないだろうと思いつつ、先輩に嫌とも言えず光栄ですなどと心にもない返答をしたところで詳細説明があり、社員ではなく映像の中で歌っていたおっちゃんたちのグループのメンバーに入る話であることがわかってきた。
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ジャニーズ? EXILE!? そんな急にプロでやるなんて
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(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

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