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<純烈物語>野心がなかったから仮面ライダーになれた。“純烈のお母さん”小田井涼平のバランス感覚<第21回>

<第21回>年上ではなく“年上キャラ”を心がける。野心がなかったから仮面ライダーになれた

 「一番年上の自分が指摘することで、周りが不安になる。だからやらなかった」  それはまさに、酒井一圭が純烈をやる上で小田井涼平に求めた役どころだった。何もかもを頼るための存在ではなく、全体を見た上でこちらから言わずとも適切な動きをしてくれる。  小田井ならではの勘どころがなければ、酒井は相当シンドかったはず。ファンの間で“純烈のお母さん”と呼ばれるように、成功した今でもそのスタンスは同じなのだ。  メディアへ出るたび、小田井は年上という部分で数え切れぬほど同じ質問を受けてきたに違いない。ただ、本人の位置づけは世間に伝わっている印象とは少しばかり違う。 「僕は年上だから年上らしく何かを示す、教えると思ったことはあまりなくて、年上だからこそマイペースでいってやろうと思ってやっているんです。どの道、みんな同じ条件でわからない世界に飛び込んできたんだから、そこに年上も年下もなかったわけで。仮に純烈前から音楽業界に携わっていたら、お手本を示す立場だったのかもしれないけど僕もド素人で、その中で始めたのであれば単に年齢が上だというだけじゃないですか。  グループだからチームワークは大事ですけど、それがベースにあった上で個性を出していった方が、よくなるんやないかと思っていました。僕から後上君まで年齢もバラバラだし(元メンバーのアンドレザ・ジャイアントパンダにいたっては年の差45歳)、二十歳ぐらいで高校や大学の仲間が集まって作ったようなものではなく、仕事として集まったグループなんだから、まとまって何かをやるよりもそれぞれが踏んできた土俵をべースに個性を生かした集団の方が面白いだろうって」  こうして小田井は、年上ではなく“年上キャラ”であることを意識した。同じようでいて、この二つはまったく違う。自分の個性として見立て、そこに肉づけしていくためのものだった。  ほかのメンバーが生まれていなかった時代の分だけ知識はより備えているし、ムード歌謡もテレビやラジオを通じギリギリ体感していた。でもそれを持って、年上であることのアドバンテージを示したところでなんのメリットにもならないから、純烈を形にする上での手段として生かすにとどめた。  普段はメンバーも意識していないだろうと小田井は思っている。「郷に入れば郷に従うタイプ」だけあって、初期の頃と比べたら自分で考えずとも年上のキャラクターを自然と着こなせるようになった。
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「その年になってこんな仕事なくてどうすんの?」
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