老親にすすめたいキャッシュレス決済は「Suicaがベスト」のワケ
「あのね、私もキャッシュレス決済というものを使ってみようかと思ってるんだけど」
実家の両親からそんなことを切り出されたら、あなたはどう返答するか? 政府の主導する『キャッシュレス・消費者還元事業』のロゴマークは、地方都市でもよく見かけるようになった。しかもこの還元事業は、今年の6月まで続く。加盟店舗はまだまだ増えていくはずだ。
一口に「キャッシュレス決済」といっても、サービス銘柄は多種多様だ。交通系ICカード、クレジットカード、デビットカード、モバイル決済、そしてQRコード決済。とくにQRコード決済の「○○Pay」は乱立状態で、詳しい事情を知らない人から見れば「銘柄が多過ぎて訳分からん!」ということになってしまっている。
高齢者である実家の父と母が、何かしらのきっかけでキャッシュレス決済に興味を持った。そこで、こんな質問をされてしまう。
「“ぺいぺい”とか“らいんぺい”とか“でーばらい”とか、いろいろあるそうだけど結局どれを使ったらいいのかしら?」
それに対して即答できる都会暮らしの働き蜂は、決して多くないのではないか。それどころか、自身の利用するキャッシュレス決済ですらも「何を使えばいいのか」と悩んでいたりする。
だが、いまだスマホに慣れない両親がせっかく最先端テクノロジーに興味を持ってくれたのだ。ここは邪険にするわけにもいくまい。また、これが実の両親ではなく配偶者の両親、即ちお義父さんお義母さんだったら、口が裂けても「分かりません」とは言えないはずだ。
さあ、困った。
まずは「実家周辺の交通インフラ」を確認してみよう。たとえば、実家のすぐ近くにバス停があり、そこから数十分でJRの駅に移動できるとしたら、JR発行の交通系ICカードが大いに役立つ可能性がある。
これは「JR路線でICカードが使える」という意味だけでなく、地元の路線バスもJRに同調しているかもしれないということだ。今や路線バスも、SuicaやTOICA、ICOCA等の「JR銘柄」で乗車できるよう整備されつつある。
また、地方の路線バス会社は大抵の場合、その土地有数の大資本だ。駅の近くの土地などに商業施設を構えていることもある。無論、その施設ではバスに合わせ、交通系ICカードで決済できる可能性が高い。
これは即ち、地元の路線バス会社が交通系ICカードによる経済圏を構築している例だ。となれば、実家の両親にはJR発行の交通系ICカードを持たせたほうが最も手っ取り早い。
これに触発され、自分もキャッシュレス決済を始めてみようと考える人が続出するのは当然の成り行きとも言える。では、もしも実家の両親がその気になったとしたら、子供としてはどのサービス銘柄をすすめるべきだろうか?
結局、何を使えばいいの?
地方でも交通系ICカードが便利
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