まるでオトナのポケモンGO。天然の磯ダコやホタルイカを“捕らえて食う”おすすめスポット
観光客で混雑する人気の街で疲れ果てるより、閑散とした地でのんびり旅ができるとしたら……? 偏愛マニアが“独断”で決めた「好きな街」へ繰り出し“新たな扉”を開けてみてはいかが?
“無免許捕食の達人”の異名を取る玉置標本氏は「週に一度は何か天然ものを捕まえて食べる」という、捕食マニアだ。
「獲って楽しい、食べておいしい“捕食”はこれ以上ない最高のレジャーです。例えば大人になって、磯で一人タコをガンガン追い回すことなんてあまりないですよね。でも僕は本気でやります。舞台は新潟県の岩船港から高速船で55分の粟島という島民360人ほどの小さな島。さほどアクセスも悪くなく、のどかな島で感じる潮風もまた格別です。そして2本の長い棒を駆使して、エサにつられて浅い岩陰から出てきた瞬間を『ガッ!』ともう片方の棒先の針に引っ掛けて抜き上げる。日々のストレスも吹き飛びます」
タコ以外にも、シャコやホタルイカも捕まえて食べる玉置氏の熱量はすごい。
「獲物によっては漁業権が設定されているので、現地の漁協や釣り具屋などでの情報収集が必要です。生態から出現する条件を絞ったり地元の人にコツを教わったり、街全体を舞台にした“大人のポケモンGO”みたいで面白い。ほかにも、佐賀の鹿島市の一面に広がる干潟も圧巻です。泥だらけで遊んだり、板に乗って移動するガタスキーを体験できる。道の駅・鹿島にはムツゴロウ釣りを教えてくれる“干潟インストラクター”がいるので初心者でも安心です」
1)新潟県・粟島
自然豊かな島はレンタル自転車なら3時間で一周できる。秋には粟島旅館組合が主催する、1泊2日の磯ダコ獲りツアーも。毎年必ず参加するリピーターも多いようだ。
2)佐賀県・鹿島市
ムツゴロウ釣りをはじめ、ガタスキー競争や、潟の中で綱引きをしてぬかるんでいく楽しみを味わう”潟上綱引き”が行われることも。修学旅行生や社員旅行に人気らしい。
3)富山県・富山市
「ホタルイカは富山湾のどこで湧くのかまったく読めないので、地元の釣り具屋などで情報をいかに仕入れられるかがポイント」。そのギャンブル性も癖になるそう。
4)長野県・伊那市
川の石の裏などに生息するザザムシを獲って食べるのは、天竜川沿いの長野県伊那地方のみ。地元にはザザムシの加工品やハチノコ、イナゴなど虫料理が豊富な商店も。
5)宮城県・仙台市
トイレ、野球場やテニスコートも完備しシャコも釣れるスリーエム仙台港パーク。駐車場無料。「一日で50匹釣る人もいる。塩ゆでが最高にうまいです」
【選者/玉置標本氏】
捕食マニアのフリーライター。著書『捕まえて、食べる』(新潮社)に続き、同人誌『捕まえて食べたい』発売
※ランキングの「地名」は、主に「駅名」もしくは「市町村」を記載。島の場合に限り「島名」にしています。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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