「処方薬」違法マーケットの実態。麻薬代わりに濫用する日本人も…
日本にいながら、中国版LINE「ウィーチャット」でさまざまなグレー・違法ビジネスに手を染める一部の在日中国人たち。今回、取材班が発見したのは処方薬の不正転売の現場だった!
コカインや覚せい剤、大麻の所持や使用で逮捕される著名人が相次いでいるが、今、違法薬物濫用者の間でひそかに広がっている“ドラッグ”がある。
「今ハマっているのはオピオイド。ヘロインやマリファナも昔やってたけど今は捕まるリスクが高すぎるし値段も高い。でもオピオイド系の鎮痛剤ならネットで簡単に買えて安いうえ、捕まる心配もない。周りで流行っている」
こう証言するのは、「ダウナー系ドラッグ好き」を自ら認める20代のO氏だ。オピオイドといえば、ヘロインと同じケシを原料とする化合物だ。それを主成分とする鎮痛剤は、その効果が強力であることからがん患者などに処方されるが、陶酔作用があり近年、世界中で濫用者が急増している。ただし、濫用での死亡例も相次いでおり、「オピオイド・クライシス」が深刻化する米国では一日に130人以上がオピオイドの過剰投与によって死亡しているとされている。
O氏が使用しているのは、がん疼痛・慢性疼痛治療に用いられるオピオイド系鎮痛剤「トラマドール(商品名・トラマール)」だ。日本の薬機法では劇薬と指定されている処方箋医薬品であり、医師からの処方箋がない限りは購入することは不可能だ。ところがO氏によると、この薬がネット上で簡単に購入できるという。
「バイト先に睡眠薬をやたらたくさん持っている中国人が『ウィーチャットで買えるよ』って教えてくれて。スマホでその場で眠剤を注文してくれたんだ。で、『オピオイドあるか』って聞いてもらったらあるって言うからさ。今はグーグル翻訳使って自分で注文しているよ。一箱50錠でだいたい1万円しないくらい。10錠くらい一気に飲むとかなり強い酩酊感を味わえるから、5回分でその値段だと思うと大麻より安い」
劇薬指定されている処方箋医薬品を転売できるウィーチャット上の中国系業者はいったい何者なのか。取材班はO氏から聞いたアカウントに接触。「トラマドールはいくらか?」と尋ねてみた。すると、すぐに「8500円だ」との返事が。ちなみに同アカウントには、インフルエンザ治療薬「タミフル」や、向精神薬に分類される抗うつ剤で、濫用が問題となっている「デパス」、眠剤遊びに悪用される「ハルシオン」、公定薬価では100mg、約17万円というがん治療薬「オプジーボ」など、さまざまな処方箋医薬品の写真が“取扱商品”としてアップされていた。
厚労省医薬食品局に確認したところ「処方箋医薬品をネット上で個人に販売することは、医師や薬局、医薬品卸売業などの免許を問わず薬機法違反。向精神薬および麻薬の場合は向精神薬取締法違反に問われる」とのことだった。
潜入スクープ! 麻薬代わりに濫用する日本人ユーザーもいた
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