満員電車が嫌ならば…嫌なことを“ゲーム化”する考え方
「苦難の先に栄光が待つ」といった考え方が長く浸透してきた。だが実際に残業・出世争いなど労苦の果てに得るものは大したことがない。ならば、嫌なことをやめて生きたほうが楽なのでは?そんな考えが生まれつつあるなか、「嫌なことのやめ方」を考案してみよう。
働かず、「プロの奢られ屋」として月に約60人前後に食事を奢られ、『嫌なこと、全部やめても生きられる』という著書まで出してしまったプロ奢ラレヤー(以下、プロ奢)氏。彼によると、嫌なことをなかなかやめられない人たちは「人生に求めるものが多すぎる」のだと話す。
「安定とか、プライドとか、お金とか、他者からどう見えるかとか。そういったものを全部欲しがるから嫌なことから離れられない。そもそも『生きる』のハードルが高すぎる人たち。総合得点が高ければ勝ちという価値観がバブル時代からずっと更新されていない。継続してきたことを達成するという人生観しか持たないから、何かを途中でやめることは完全な敗北でしかないわけです」
とはいえ、嫌なことをやめた先に天国が待っているとも期待しないほうがいいと釘を刺す。
「人生なんて地獄選びの連続。でも地獄の中でも、マシな地獄を選んでいけるように知恵を働かせることはできる。それが嫌なことをやめるということだと思います」
その具体的な方法とは?
「ぼやっとした嫌なことを細分化して、生活を見直してみる。例えば満員電車が嫌だったら会社の真横に住めばいいし、地方で就職してもいい。洗濯が嫌だったら洗濯のどこが嫌なのか、干す作業なのか畳む作業なのかまで突き詰めて、やらなくてすむ方法を工夫すればいい」
またプロ奢氏は避けられないことの中からでも楽しむ要素を見つけて、嫌なことを“無効化”することを推奨する。
「満員電車に乗らざるを得なければ、今日はハゲてる人が何人乗ってくるか数えるなどゲーム的要素を取り入れてしまうんです」
嫌いなことをやめようと努力して無理をするのも、本末転倒。「やめることをやめる」のもまた道なのだ。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!2月18日発売号の特集「嫌なことをやめて生きる」より本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
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