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「嫌なことからは逃げる」が、心にとって正しい/プロ奢ラレヤー×臨床心理士

「嫌なことをすぐやめる」ことは心理学的にも正しかった!? プロ奢ラレヤーと臨床心理士の向後善之氏がメンタルの持ち方について語り合った

 年始から世界を襲った新型コロナウィルスは、人々の心をも蝕んだ。コロナ禍による休業・倒産や外出自粛が相次ぎ、自殺者も急増。メンタルケアの重要性とともに、働き方や生き方の見直しが迫られることとなった。  そんな中、コロナ禍でもストレスとは無縁の生き方を貫く「プロ奢ラレヤー」(人にご飯を奢られて生計を立てている中島太一氏、奢られ実績3000人以上)が「メンタル」をテーマに対談する本シリーズ。今回登場するのは臨床心理士の向後善之氏だ。プロ奢ラレヤーの著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』を軸に、「嫌なことをやめられない大人たち」はどう自分と向き合っていくべきなのかについて語った。

臨床心理士が太鼓判「プロ奢ラレヤーは、カウンセラーと同じだよね」

プロ奢ラレヤー(以下、プロ奢) てか臨床心理士ってなんすか。お医者さん? カウンセラー? 向後善之(以下、向後) 心理カウンセラー。僕はもともと理系でね、石油会社でずっと働いてたんだけど心理学をやりたくなってお金を貯めて40歳でアメリカに行ったんです。20年前は日本では学べるところが全然なかったから。プロ奢さんの本を読んでいろいろ考えたんだけど、カウンセラーとプロ奢ラレヤーって実はすごく近い存在なんじゃないかと思った。 プロ奢 あー確かに。お客さんが来て、話を聞くっていう……。 向後 カウンセラーだってお金をもらって奢ってもらってるようなもんです。ビルマのお坊さんだって、そう。奢られてるし。だから、なんでみんな「奢られてる」プロ奢さんにカリカリするんだろうって不思議なんです。 プロ奢 ネットにはいっぱいいるけど、実際には批判的な人って会わないですけどね。殴られそうになったことも殺されそうになったこともないから、いろいろ言われてても別にいっかーって感じ。 向後 批判的なコメントで落ち込んだりはしない? プロ奢 僕、Yahoo!ニュースに載るのが好きなんですよ(笑)。どうせなら普段見れないものをみたいじゃないですか。そういう意味でいうとYahoo!ニュースに自分の記事が上がると、この世の見えなかった部分、聞こえてこなかった声が集まってるのを眺めるのは楽しい。

キツいことがあったら、どんどん逃げろ

向後 すごいですね。僕もたまに悪口言われたりすると、なんとか参考にしてやろう!とは思うんだけど、やっぱり落ち込んじゃう。その強さはすごいなあ。なぜそれができるんだろう? プロ奢 知らない人がネットに書いてるものって、なんかリアルに感じないんすよね。中学の頃から2ちゃんねるみたいな場所に出入りしていたから免疫があるのかもしれない。

「僕らの世代って、良い意味で人生をゲームだと捉えてる気がする。僕がストレスを溜めにくいのもそれが原因かもしれないですね」(プロ奢ラレヤー)

向後 タフになってるのかな? プロ奢 ていうか、そもそも当たらない。悪口って基本的に論理性がないじゃないですか。 向後 ない。本にも書いてあったけど「負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと」とかも、悪口ではないけどまさに論理性が0なんですよね。だから僕は嫌なことやキツいことがあったらどんどん逃げろって思ってる。そこで立ち向かう必要なんてないから。  アメリカでカウンセラーやってた時代は「ファックユー」って言われたり罵倒されることも多かったんだけど、それを上司に相談したら「無意味だから聞かなくていい」って言われてさ。そもそも英語の悪口なんて習ったことないからほとんど何言ってるかわからなかったんだけど(笑)。
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夢を叶えることより、「嫌なことをいかにやめるか」
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本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
嫌なこと、全部やめても生きられる

「逃げたら負け」と思っている人々へ。"目からウロコの意識低すぎ実践哲学"

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