更新日:2020年05月19日 10:18
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Jil Sanderのアンクルスラックス、驚きの値段も納得のワケ

37/108 アンクルスラックス(Jil Sander)約9万円

MBのヘビーユース108

アンクルスラックス(Jil Sander)約9万円

 ジルサンダーというブランドをご存じでしょうか。ドイツ人であるジル・サンダーは質実剛健な職人気質。過度なデザインを嫌い、素材とシルエットで勝負する実力派です。車はメルセデス、家電はミーレ、文具はステッドラー。これらを見ればドイツ製品の特徴は見えてきます。見た目は地味で普通だけど、機能性は抜群。洋服におけるジルサンダーがまさにそれ。  今回、紹介しているパンツはジルサンダーの定番モデル。見た目は普通のネイビースラックスでしかないのですが、足を入れてみるとシルエットと風合いに驚くはず。シンプルなんだけど、ウエストはゆったり緩めな一方、裾はかなり細い。レングスは程よいバランスに調整されており、スラリと美しく見える脚長シルエットに。素材はシンプルですが、シャリ感を加えており、地味になりにくい。素材表面に凹凸があるので、陰影が生まれてツルッとしたドレスライクな表情があるのです。 MBのヘビーユース108 また、この素材、家庭用洗濯機でガランガラン洗っても問題ない超イージーケア。単なるスラックスに見えますが、私のワードローブでは絶対に欠かせない必需品となっています。値段はおそろしく高いですが、いくら使っても傷まずに形崩れも起こさず毎日使ってもケアが煩雑じゃないので問題なし。さすがドイツのデザイナー、職人肌なモノ作りが生きています。  そして、このジルサンダーは「トレンド」という意味でも今の世界を牽引しています。現在のデザイナーはハイブランドを経験したルーシー・メイヤーとストリートファッションを経験した元シュプリームのデザイナーであるルーク・メイヤーのコンビ。頂点も草の根もどちらも知っているからこそ、深みのあるシルエットやデザインを表現することができる。  ルイ・ヴィトンとシュプリームのコラボなどを見てもわかる通り、現代ファッションにおいてハイブランドとストリートファッションの融合は一つの大きなテーマ。2人態勢でそれを実現してしまっているジルサンダーは、まさに時代の体現者なのです。質もデザインも高い次元で融合しているジルサンダー。お値段はかなりしますが、今こそチェックすべきブランドです。 商品、衣装/すべて私物 撮影/林 紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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