新型コロナの休校措置に臨時の学び場を開設、スタッフたちの思い
感染拡大する新型コロナウイルスの影響で、全国の小・中学校を中心に臨時休校措置が続いている。政府の急な要請に頭を悩ませながらも、各家庭では子どもたちが有意義な時間を送れる環境作りへ対応に追われている。
「首相の臨時休校を要請する会見中、ママ友達とのグループLINEには『やばくない!?』『どうしよう』とコメントがありました。小さな子どもがいて働いているお母さんたちが気軽に頼れる場所が必要だと考えました」
こう話すのは整体師の竹田幸恵さん(32)=平塚市=。小学1年生と年少の子どもを育てる2児の母だ。市街地のほど近くにある平塚八幡神宮の参籠所を借り、3月9日から臨時の預かり所「Trimの教室」を開設した。
平塚八幡神宮の参籠所に設けた預かり所では、入学式が始まる頃(4月3日)までの平日のみに運営する。小学校1~6年生を対象に、定員は12人程度。1日預かり(午前9時~午後4時)で料金は1000円。さらに500円支払えば昼食も付く。感染症対策に気を配り、施設内の空気の入れ換えや除菌ケアなどにも余念がない。
竹田さんは「安心できる預け先が周りにあれば、お母さん達の気も休まる。こんな時だからこそ力になりたかった」と当事者ならではの視点で語る。
預かり所では子どもたちの生活リズムを整えるため、細かな時間割が設けられている。どんなことがしたいかはみんなで話し合い、勉強や遊ぶ時間など1日の流れを決めていた。筆者(私)の来訪時には、勉強タイムだった。算数や漢字の書き取り取りなど自習する子どもたちが「もう分かんない」と答えに詰まると、側で見ている中高生らボランティアスタッフが教えていた。学年が違う子どもたちが学び合う「複式学級」のようなスタイルで、和気あいあいとした雰囲気だ。
運営に携わるプロ家庭教師の福長佑太さん(36)=茅ヶ崎市=は「(子どもたちが)幅広い年齢層の人たち接する機会は、家にいるよりも刺激になる」とみる。子どもを預けた母親から「よ~し、これから1人でどこに行こうかな」と本音が漏れた。福長さんは「こういった場がお母さんたちにとっても必要なんだ」と子育て中の親たちを支える一助になっていると実感した。
そんななか、ママ友や地元大学生が子どもたちの居場所作りへ乗り出す動きも出てきた。神奈川県平塚市内に開設された2つの臨時預かり所を取材し、現状を報告する。
首相の休校要請、ママ友グループLINEに「やばくない」「どうしよう」のコメント続出
学校同様の細かな時間割が生活リズムを整える
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新聞記者兼ライター。スター・ウォーズのキャラクターと、冬の必需品「ホッカイロ」をこよなく愛すことから命名。「今」話題になっていることを自分なりに深掘りします。裁判、LGBTや在日コリアンといったマイノリティ、貧困問題などに関心あります。Twitter:@hokkairo_ren
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