地元スナック嬢とコロナ結婚した常連客「恋愛対象として見てなかったのに」
緊急事態宣言が解除されても、未だに営業再開の許可が降りないキャバクラやスナック店。この休業中に彼氏と結婚することになったというキャバ嬢も多く、オキニのキャバ嬢がいる男性諸君にとっては少し物悲しい気持ちになったりもするだろう。
そんな中で「スナックの女の子と結婚することになった」と語るのは、都内で自営業者として務める佐伯啓人さん(仮名・34歳)。東京郊外で1人暮らしをする佐伯さんはコロナ流行前に、地元のスナックに飲みに行くのが唯一の楽しみだった。
「スナックといっても40歳のママと、働いている女の子は20歳~34歳と比較的に若い店です。元々、ママがラウンジで働いているときから通っていて、独立してから今の店に通うようになったのでもう5年以上の付き合いになります。特にオキニの子がいるというわけではなく誰とでも話すし、全員の連絡先も知っています。たまに同伴もしたりする、いわゆる常連客でしたね(笑)」
佐伯さん自身、20代の頃に離婚を経験しており、スナックのママや女の子を恋愛対象では見ていなかったという。毎週のように1人で飲みに行き、1時間ほど飲んで帰る……という生活がルーティンに。しかし、4月からコロナによる緊急事態宣言が出されてしまい、そんな日常の楽しみがなくなってしまった。
「幸い、仕事には影響はなかったのですが夜がとにかくヒマになってしまいました。家の近所はチェーン店の飲食店はあるけど20時には閉まってしまうので、毎日コンビニ弁当とビールで夕飯を済ませていました。そんなとき、スナックの女の子からLINEが来たんです。
30歳の子なのですが、昼の仕事も休みになってしまったため、暇で話し相手が欲しくて連絡したと言っていました。彼女は元々お酒好きで店でも割と飲んで盛り上げるタイプなのですが、飲みにも行けないから家での1人飲みに電話で付き合ってと言われたんです。ちょうど僕も1人飲みをしていたので、LINE電話で話すことに。それが意外と盛り上がって、1時間ほど話してしまいました」
その日以来、家飲みのときは彼女とLINE電話をするようになった佐伯さん。
ある日、彼女からこんなことを言われたという。
「『家でご飯を作りすぎちゃったんだけど食べる?』というLINEが来たんです。僕がコンビニ弁当しか食べていないと言っていたので気を遣ってくれたのかもしれませんね。彼女の家は近所と知っていたので、少し会うくらいなら……と言うと、しばらくして僕の家までご飯を持ってきてくれました。
その時は家に上がらずにすぐ帰ったのですが、その日以来何度か『ご飯持っていくよー』という連絡が来るように。さすがにご飯だけ届けさせてすぐに帰らすのも悪いので、5回目で初めて家にあげて一緒にお酒を飲みました。それからだんだん彼女が家に来る回数が増えていき、いつの間にか……という感じですね」
それまで、結婚への意欲どころか、彼女のことを恋愛対象にすら見ていなかったという佐伯さん。今回、結婚に至った決め手とは何だったのだろうか。
「彼女が僕の家に食事を届けてくれる以外、外出していないという真面目なところにも惹かれたというのもあるんですが、彼女と電話したり一緒に部屋で飲んでいるときが唯一コロナのことを忘れて楽しく過ごせたんすよね。それに今の状況で交際しても、今後どうなるか分からないという気持ちもありました。スナックに通っているときから、彼女とはよく話していて気が合うというのも分かっているし、勢いだけというわけではありませんね」
先日、店のママにも報告を終えたという佐伯さん。スナックの営業が再開したら彼女は、最後に1か月だけ働いたあと、夜を上がることが決まったという。
暇を持て余していたある日の夜に
コロナを忘れさせてくれる存在だった
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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