更新日:2020年08月01日 09:10
デジタル

2500円でも死角なし。本誌ライター、防犯カメラでリモート監視生活を始めてみた

編集者のスマホから見たリアルタイム画像。動くと検知されるし、音も丸聞こえだ

 自分で言うのもおかしな話だが、僕は締切りを守れない。  大学を卒業してすぐにフリーライターとなり、はや5年。「新人だから」なんて言い訳は通用しない年月が過ぎた。それなのに、これまで何度も締切りを破っては、クライアントに迷惑をかけてきた。頭ではわかっているのに、起きれなかったり、曜日を勘違いしたり、時間の見積もりが甘くて納期に間に合わなかったり……その度合いがかなり深刻で、正直に言うと出入り禁止を言い渡された編集部もある。  その点、SPA! は懐の広い取引先だった。打ち合わせ当日にドタキャンしたことも、締め切りを1日半遅らせてしまったことも、前借りした経費を使い込んでしまったこともあった。その度、めちゃんこ怒られるものの、「仕事のミスは仕事で埋めてくれ」と言ってくれ、挽回のチャンスをくれるような人たちだった。  だが、しかしである。懇意にしてもらっている編集者からもついに、最後通告が言い渡された。 「次やったら、もう庇えないよ。何か抜本的な対策を考えてくれないと……」  窮地に追いやられた僕は、とっさに「テクノのロジーの力を使って解決します」と提案した。 「前に位置情報アプリ入れたけどダメだったじゃん」  思い出した。今回と同じように生活の改善を求められた僕は、位置情報アプリを入れて編集者の監視下に置かれることを自ら希望したのだが、それでも締切りを忘れて麻雀を打ち続け、こっぴどく叱られた経験がある。 「となると、もう監視カメラくらいしかないですね」  かくして、僕は編集者に24時間監視される生活を送ることとなった。これがラストチャンスだ。本稿は、僕の進退をかけたルポである。冗談抜きに。

■進化する防犯カメラの世界に驚愕

 まずは、自分の家に設置する防犯カメラを購入しなければならない。調べてみると、最近の防犯カメラ業界の進化に気づいた。カメラをWi-Fiに接続して、スマホで手軽に映像を確認できる家庭用防犯カメラが市場に出回っているのだ。 「防犯カメラ業界、すごいな!」  AmazonやSNSを眺めながら、口コミや相場を調べているうちに、僕は驚愕した。高価なものはもちろんあるが、安いやつだと3,000円~5,000円くらいで売っているのだ。

Amazonで「ネットワークカメラ」での検索結果。防犯だけでなく、介護や子育てといったニーズの多様化が背景にある模様

 ただし、安い防犯カメラは海外メーカーのものが多い。こんな僕でも、プライベートの映像が漏洩するのはさすがに怖い。そんなこんなで、日本メーカーに絞ってリサーチを継続。ようやく見つけた防犯カメラが「ATOM Cam(アトムカム)」だった。

スマートホームカメラと銘打たれたATOMCam。公式サイトから2500円で購入できた。

 お値段はなんと、1台2500円! スマホアプリと連動してリアルタイムでカメラ映像を特定の人に共有することができる。目的にもぴったりだ。 「安すぎるけど、大丈夫か?」  一抹の不安を抱えながらも、僕にはこれしか選択肢がなかった。
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2500円とは思えない機能の豊富さ
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