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除夜の鐘から初詣まで、神社仏閣にオンライン化の波

 新型コロナウイルスの感染者数がいま再び増え続けるなかで、今年の年末年始は自粛を余儀なくされそうだ。地元の神社や寺に親戚一同と初詣に出かける、あるいは繁華街で新年のカウントダウンを叫ぶ……という旧態依然とした方法では、「三密」を招いてしまう。
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※写真はイメージです

 今年はあらゆる物事のオンライン化がいっきに進んだが、じつは「初詣」や「年末年始」のイベントも例外ではない。

バーチャル渋谷でカウントダウンイベントはあるか?

 これまで渋谷では、年末になればカウントダウンイベントが実施され、多くの若者たちで賑わっていた。今年はいったい、どうなるのか。  大混乱を招いてきた渋谷ハロウィンは、「cluster」というアプリ内において、“バーチャル”で行われた。これは渋谷区公認のイベントで、auとのタイアップ企画でもあった。有名アーティストもバーチャルライブを開催し、あまりの人気に回線がパンクしてしまう事態も発生した。  こうした取り組みは、年末年始にも実施されるのだろうか? clusterの公式サイト「イベント一覧」をチェックしてみたが、今のところ(12月8日執筆時点)は特にイベント等の予定はないようだ。
バーチャル渋谷

画像は、「cluster」のアプリより

 が、実は今でもバーチャル渋谷そのものは存在している。このワールド自体は一過性のものではなく、いつでも入場できる状態。そして、リアルの渋谷は毎年恒例の年末年始カウントダウンイベントの中止をすでに発表している。このイベントをそのままclusterに移して行う可能性は、十分にあるだろう。同時に、リアル渋谷ではハロウィンと同じような厳しい警備体制が敷かれるはずだ。

自宅で撞ける「バーチャル除夜の鐘」

バーチャル除夜の鐘

バーチャル除夜の鐘。画面の撞木をクリックすると数字がカウントされる(画像は、浄土宗の公式サイトより)

 三密をどのように避けるか。それは渋谷区だけでなく、神社仏閣も同様に苦悩している。  リアルの初詣をある程度規制しなければ、祈りの場でクラスターが発生してしまうリスクも高まる。そこで、神社仏閣もオンライン化の必要に迫られているのだ。  浄土宗の公式サイトでは「バーチャル除夜の鐘」というものを用意している。これはサイト上で鐘を108回叩けば、プレゼント応募の画面が表示されるというもの。  画面上の撞木をクリックすると数字がカウントされる仕組みで、連打して突くことができるから、108回の達成は決して苦労しない。が、これではいささかありがたみに欠ける気もするが……。
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初詣のオンライン化
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ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー

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