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大阪・梅田は昼キャバが活況「緊急事態宣言って何の意味があるんだろう」

 1月14日から、関西3府県にも発令された緊急事態宣言。キャバクラを含む飲食店では午後8時までの時短営業のほか、酒類の提供は午後7時までと要請されることとなった。  再発令されて、初の週末となった大阪の夜の街はどんな様子だったのだろうか。現地で働く女性達に状況をリポートしてもらった。

店を開けても意味ない?

北新地

北新地(昨年11月撮影)

 まず話を聞いたのは、高級クラブやラウンジが多く並ぶ北新地に勤務するホステス。昨年11月より、北新地では午後9時までの時短営業要請を受けていた。今回の緊急事態宣言では、さらに1時間の繰り上げとなったわけだが。 「うちの店はラウンジなので、昨年からの時短要請ではママとキャストの2人体制で営業していました。しかし、お客さんが毎日来るわけではなく忘年会中止も相次いだことであり、年末は12月26日から休みにしたんです。そしたら年明けの営業開始後すぐに緊急事態宣言が出されると聞いて、ママも私も肩を落としています。  せめて年内に決まっていれば多少の準備はできたのかもしれませんが、突然決まったので黙って従うしかありませんね。お客さんの予約が入ったときだけママ1人で店を開けるみたいですが、お酒を出せるのはせいぜい1時間程度。大した売上にならないです」  昨年からの時短営業の影響で新年を迎えても閑散とした雰囲気が残る北新地。4月の緊急事態宣言中は看板を消して営業するという店もあったというが「今回は大人しく従う」という声が上がった。

昼キャバが急増

東通り

緊急事態宣言を受けて初の週末。午後3時の東通り商店街

 その一方で、緊急事態宣言が出されても特に変わらないというエリアもある。正月の夜に若者で賑わっていた梅田の東通り商店街周辺だ。 「午後8時までの時短要請となって、東通りでは営業時間を繰り上げて日中から開けるキャバクラが増えています。それに合わせるように普段は夕方から開けている無料案内所も前倒しで営業。夕方頃には商店街周辺で客引きをする黒服やキャバ嬢の姿も見られて、時間が早まったということ以外は普段と何も変わりません。20時以降はほとんどの店が閉めるのですが、まだまだ飲み足りないのかコンビニの前に座ってお酒を飲む若者の姿もよく見かけます。  私達からすると営業時間を前倒ししてくれるのはありがたいのですが、何の感染防止対策にもならないと思うんですよね。感染対策ステッカーが貼ってあってもフェイスシールドすら付けないで接客している店もあるという話も聞くし、市が一軒ずつ立ち入り調査するわけでもない。緊急事態宣言って何の意味があるんだろう……とすら思ってしまいますね」  そう、語るのは東通り商店街のキャバクラに勤務する女性。昨年の4月以降、閉店が相次いでいる北新地とは打って変わりニューオープンした昼キャバや飲食店が目立つ東通りエリア。周辺の居酒屋では軒並みランチ営業を始めたこともあり、今では昼間のほうが元気な印象だという。
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形態を変えて営業する店も
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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