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ワクチン接種、日本で何が起きるのか? 海外医師たちが証言する問題

日本では今月12日に米ファイザー社のワクチンについて承認が下り、月末から医療従事者を中心に接種が始まる予定だ。しかし、すでに欧米のワクチン先進国ではさまざまな問題が発生中。現場では何が起きているのか? 日本の少し先の現状を取材した。

刻々と変わる状況下で判断を迫られるワクチン先進国の現状

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「接種会場には心肺蘇生やアナフィラキシーの対応スキルを持つ看護師が配置され、緊急時のリスク管理がなされています」(木村氏)

 今、世界各国が列をなして供給を待っている新型コロナウイルスのワクチン。昨年12月に世界初のワクチン接種が始まったイギリス現地の状況を、英国在住のジャーナリスト・木村正人氏はこう伝える。 「英国では電子化された国民全員のカルテを医療機関が共有しているので、既往症など高リスクの人をスクリーニングする仕組みが整っています。インフォームドコンセントもメールや電話での複数回実施を徹底。ワクチン会場は診療所以外に薬局、サッカー場、大聖堂など幅広い施設が採用され、一気呵成に進められています」  日本ではマイナンバーと結びつけて管理する案が突如浮上しているが、木村氏は警鐘を鳴らす。 「自治体が過去の既往症歴を知らないので、自己申告が基本線だとすると、持病を隠してでもワクチンを打ちたい人が出る可能性もある。普及していないマイナンバーの活用に固執して混乱を招き、スピード感を欠けば本末転倒です」

結局「やってみないと何が起こるかわからない」

 アメリカでも12月からワクチンの接種を開始したが、実際に打ったときどのような副反応が出るのか。自身もすでに2回目のワクチン接種を終えたというカリフォルニア大学教授で放射線科医として勤務する吉岡大医師が話す。 「勤務している病院では医師や看護師などから順に、清掃スタッフ含め約1万人全員にアナウンスがあり、12月下旬から始まりました。個人の体験談としては、1回目はインフルエンザワクチンよりも少し腕に痛みが続く感じ。2回目では痛みは軽くなりましたが、微熱や倦怠感が少し出ました。ですが、何も変化を感じないという人も多く、個人差が大きい印象です」
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ディズニーランドやドジャースタジアムでは寒空の下5時間並ぶという混雑が発生したが、日本でも同様の事態は容易に想像できる

 吉岡医師が勤務する病院では希望者のみがワクチン接種を受けた。 「強制ではないので、病院の2割ほどの人はアレルギーや個人的な理由で辞退。若い世代では『少し様子見』という人もいます。  カリフォルニア州では65歳以上の一般市民へのワクチンがディズニーランドなどの大型会場で行われていますが、当初はオペレーション側も不慣れで、並んでから接種を終えるまで外で5時間待ちという事態もあった。ただ、現在は2時間ほどに軽減されたので、慣れの問題でしょう。  日本でも想定した訓練が始まったようですが、やってみないと何が起こるかわからない部分は多分にあると思います」
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