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高校中退、アイドル解雇。絶望から天職を見つけるまでの波乱万丈

 ド派手な赤色のツートンヘアに、かわいらしいゴシック調のファッション。彼女の名前は伊藤麻希さん(25)。Twitterのフォロワー数は約12万人、英語を駆使した投稿に外国人のファンからも多くのリプライが寄せられる。  どこから見てもアイドル然としたルックス、いま人気の原宿系インフルエンサーなのかと思いきや、じつは「東京女子プロレス」(以下、東女)という団体に所属する“レスラー”なのだ。
伊藤麻希

「東京女子プロレス」に所属するレスラーの伊藤麻希さん(25)

 現在はアメリカのリングにも活動の幅を広げているが、決して順風満帆ではなかった。高校を中退、アイドルグループを解雇、一時は人生を諦めかけていた……。
伊藤麻希

2月21日、東京・成増アクトホールで行われた試合の様子。写真提供:DDTプロレスリング

 今回は、そんな彼女が数々の苦悩を乗り越え、“自分が本当に輝ける場所”を見つけるまでの軌跡に迫る。

好きな男子がAKB48のファンだったことからアイドルに目覚める

伊藤麻希 現在はリングの上でオンリーワンの存在としてスポットライトを浴びる伊藤さん。  幼少期から派手好きな性格だった。福岡県小郡市で生まれ育ち、田舎だったことから、周囲にはなかなか理解を得られなかったという。 「地元にいた頃は上級生から目をつけられていた。ミニスカートを穿いているだけでいじめられたりするんですよ。中学はテニス部だったのですが、“ボールの的”の係としてめっちゃぶつけられたり。今思うと何してくれてるのって思うんですけど(笑)」  当時から、周りになじめず中学校に行きたくない日もあった。そんな中、好きな男子がAKB48の柏木由紀さんのことを好きだと知り、アイドルに興味を持ち始めた。 「『AKBINGO!』(日本テレビ)という番組がすごく好きだったんです。でも、“自分だったらこういう風にするな”って、出演者側の気持ちで観ていました」  勉強が得意ではなかったことから高校受験に失敗。しかたなく希望ではなかった学校に進学したが「自分の居場所を見失った」と振り返る。

自分の居場所を「アイドルグループ」に求めて…

伊藤麻希 伊藤さんは、そこからアイドルのオーディションを受け始めた。 「行きたい高校に全部落ちてしまって、学校では特にやりたいこともなくて。そんな時に、『LinQ』というアイドルグループが結成したばかりで、メンバーたちが天神の街でビラ配りしていたんですよ。当時はローカルアイドルが珍しかったから、すぐに2期生のオーディションに応募しました。そのために体重を3キロ落として合格したんです」  こうしてアイドルとしてスタートラインに立つが、その道のりは決して楽なものではなかった。
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現実の厳しさに直面、人生を左右する大きな転機
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出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration

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