エンタメ

NHK朝ドラ、ヒロイン抜擢の裏事情。新人の抜擢はなぜ終わった?

 清楚系女優の黒島結菜が、’22年前期クールの朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)でヒロインを務めることが発表された。ドラマの舞台は沖縄県・本島北部となるということで、沖縄県出身である黒島が見事ヒロインを射止めたとされている。ところが、黒島といえば’19年に戸田恵梨香が主演した『スカーレット』でヒロインと夫が営む陶芸工房の弟子役を好演。ヒロインの夫への密かな思いを断ち切るため工房を去るシーンは、ドラマファンの間でも評判になった。
 このように、’18年度後期『まんぷく』のヒロイン・安藤サクラ以降、6作連続で主役オーディションは一切行なわれておらず、ここ数年は過去作で助演として印象的な出演をしていた土屋太鳳、杉咲花、清原果耶らの経験組が抜擢される状況が続いている。’21年後期の『カムカムエヴリバディ』こそ、上白石萌音と川栄李奈が3061人のオーディションを経て選ばれたらしいが、川栄も『とと姉ちゃん』に出演しており、新人女優が起用されることはなくなってしまったといえる。  かつて朝ドラヒロインといえば、新人女優の登竜門だったはずだが、無名女優の抜擢はもうないのか……? 業界関係者たちの声を集めた。

理由は朝ドラの“国民的ドラマ”としての復活と高視聴率

 大手制作会社でドラマのプロデュースを担当する50代男性のA氏は語る。 「大きな理由としては、朝ドラがNHKの数少ないキラーコンテンツになったことでしょう。一時期低迷が続いた朝ドラですが、’10年以降は『おひさま』『カーネーション』『あまちゃん』にはじまり、『ごちそうさん』『花子とアン』『ひよっこ』など、20%近い高視聴率を取る作品が続いている。それまでは新人オーディションを大々的に行なっていたものの、知名度やすでに演技力を知られている子を主演に置き、盤石の状態でドラマ制作をしたいと考えているようです。
 ある芸能事務所は、オーディションの連絡すら来なかったと嘆いているくらい……。ここ10年でほぼ無名ながらもヒットしたのは『あまちゃん』の能年玲奈(現・のん)くらいでは?

オーディションをやらない理由は『紅白歌合戦』にも?

 年末に放送される『紅白歌合戦』も影響していると聞いています。最近は、朝ドラで主演を張った女優が司会を務めるケースが増えている。『紅白~』といえば、NHKが多額の製作費を使って作る一大エンタテインメント番組ですから、その司会にふさわしい華のある人気女優を起用したいという意図があると聞きましたね」
次のページ
オーディション組はその後挫折者も多い!?
1
2
3
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

記事一覧へ
おすすめ記事