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<マンガ>”合コン死亡遊戯・後編”「小野寺ずるのド腐れ漫画帝国 in SPA!」~第四十六夜~

 9月12日から放送開始された「実写版モモウメ」(日本テレビ・関東ローカル)にも出演する役者・小野寺ずる。ドラマ、映画、舞台に忙しい彼女が、尖りまくっていた美大生時代に経験した、はじめての合コンとは!? ファッション迷子になり、まさかのお母さんに用意させた“ママカジ”(ママが選んだカジュアル服)で参戦。くしゃくしゃのTシャツには、赤いラメで”Local guide”と書かれていた。地方案内人となった、ずるの結果は――。 【前編を読む】⇒“合コン死亡遊戯・前編”「小野寺ずるのド腐れ漫画帝国 in SPA!」~第四十五夜~

捻くれ女が、気づいてしまう男の“ファッション”

「地方案内人!地方案内人!」 相模大野駅構内、誘ってくれた友人3人が、私のTシャツをなじる声が響く。 「この服しかなかったんだよぉ〜」 ダウト。数着かある中で、確信を持ってこれを選んでいた。そんな嘘つきを囲み女子大生たちがはしゃぐ。「今から合コン!」という緊張を、私をなじることで発散させていたのかもしれない。いいさ、これがピエロの役目だ、いや、ローカルガイドの役目だ――。 相模大野から町田へ。 たった一駅の移動もソワソワしてままならない。そりゃそうだ。 この一駅で神奈川県から東京なんだ。そして今から合コンなんだ……。

役者は揃っていたはずなのに……

町田の居酒屋で、合コン相手達と対面した。長めの髪をワックスで固めているような、ホスト系ファッションに身を包んだ、ザ・イケメン医大生だった。 そんなイケてる殿方を目の前にして、彼らに対してどうでもいいことが引っ掛かってしまう……。 「どうしてお兄さんは、小さな鎖鎌を腰から垂らしているの?」 「隣のお兄さんの、ぴっちりしたチョッキを買うときの気持ちってなに?」 隣に座る私の友人も、怪訝な顔をしていた。こんなところでまで正直になるな、感性に。感謝が足りないんだ、この状況に。私たちはまるでZOO……。 相手チームも私を見て、「あぁ、今日は終わった」という顔をした。船を出した途端日が暮れたような、目指すべき岸を失ったような。 戦犯は私か。 8人、役者は揃っていたはずなのに。 ………。
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超必殺技、個性!
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'89年宮城県出身の役者、ド腐れ漫画家。舞台を中心に活躍後、'19年に「まだ結婚できない男」(関西テレビ)で山下香織役、'20年「いいね!光源氏くん」(NHK)で宇都宮亜紀役など、テレビドラマでも活躍の場を広げる。また、個人表現研究所「ZURULABO」を開設し、漫画、エッセイ、ポエムなどを発表。好きな言葉は「百発百中」。 Twiter:@zuruart


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