仕事

コロナ禍で出産、勤務先が休業。収入激減した育休ママが見出した活路

 新型コロナウイルスの影響で結婚式のキャンセルが相次ぎ、大打撃を受けたブライダル業界。そこで働く人たちは仕事の見通しが立たず、今なお大きな不安を抱えている。  ウエディングドレス関係の仕事をしていた久保さん(Instagram:@kubo_des、28歳)は、コロナ禍での出産も経験しており、「産休・育休明けに職場復帰できないかもしれない」と苦悩した。
久保

コロナ禍で第二子を出産、ブライダル関係の勤務先が休業になった久保さん(28歳)

 予測不可能なウイルスの猛威に翻弄されながらも彼女は今「むしろ良かったかもしれません」と語るほど、未来に希望が持てるようになった。そんな久保さんが見出した活路、踏み出した一歩とは……!?

コロナ禍での出産と勤務先の休業でダブルの不安

 久保さんはもともとホテルで働いていたが、そこで目にした結婚式に心を奪われ、ブライダル関係の会社に転職。従業員の子育て支援に力を入れていた企業だったものの、第一子出産後は子どもの体調によっては仕事を休まなければならなかったり、早退しなければならなかったりすることが続いた。 「仕事に集中したくてもできない日が増えていきました。そのうち、本当にこれでいいのかと思うようになって……。他のママさん社員も子育てを優先するために、あえてパートや準社員になる人が多かった。このまま正社員になるのは無理なのではないかと考えるようになりました」(久保さん、以下同)  そう悩みながら働いていた頃、コロナ禍に突入。2020年の2月~3月頃から徐々に結婚式のキャンセルや延期が増え始め、緊急事態宣言が出た4月には仕事は完全に休業となった

収入が激減、アルバイトを始めることに

「当然、仕事はゼロ。休業手当てはありましたが収入は大きく下がりました。9月末には第2子の出産を控えていたので健康面や収入面など様々な不安が重なりましたね。育休手当はその直前の収入の額をもとに算出されるので……」  そこで久保さんは妊娠7ヶ月だったにもかかわらず、アルバイトを始めることにした。そして某ファストフード店の面接で「妊娠中ですが仕事はバリバリこなします」と宣言、採用されたのだ。  その後無事出産したものの、育休手当ては本来もらえるはずだった金額が支給されず、なんと産後4ヶ月でファストフード店に復帰、さらには産後6ヶ月頃にはブライダルの仕事にも復帰した。  シングルマザーならわかるが、定職に就いている夫もいる。なぜそこまで働くことにこだわるのだろうか。 「夫は百貨店勤務ですが、彼の職場もコロナ禍で休業になってしまいました。休業手当をもらっている状況で、生活ができないわけではありませんでしたが、私の性格的になるべく備えておきたいというか……。  いつどうなるかわからないし、ただ毎日が過ぎているのがもったいないと考えたんです。なので、動けるのであれば仕事をしようと思いました」
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がんばる気持ちが先立って産後うつ状態に……
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA

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