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売れる営業マンほど「社内営業」を重視するのはなぜか?

毎月優秀な成績を残す営業マンと、なかなか成果が出ない営業マンの違いはどこにあるのか。その大きな差の一つが、「社内の人間関係」への意識の違いだ。営業支援のトップランナーとして知られるセレブリックスの今井晶也氏は、「優秀な営業パーソンほど、社内での人間関係を重視する」と話す。 これまで門外不出にされてきた同社のノウハウを著書『セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術』で公開した今井氏。そんな彼が教える、「社内営業の重要性」とは?

優秀な人ほど「いい仕事」を引きつける

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写真はイメージです(以下同)

「仕事の報酬は仕事」という言葉があります。非常に素晴らしいメッセージだと思いますし、本当に優秀な営業パーソンには「いい仕事」がやってきます。これはオカルト的な話でもスピリチュアル的な話でもありません。誰もが皆、余計な失敗をしたくないので「信じられる人」に仕事を任せたいものです。 すなわち、成果をコントロールするためには、いい仕事(重要な案件)が任されるように信用で結ばれた社内コネクションを築かなければなりません。営業という仕事は個人戦と捉えられることが多いようですが、それは逆です。むしろ優秀な営業パーソンこそ、周りを上手く巻き込むし、その重要性に気づいています。 社内の巻き込み方は、私が見てきたなかでも様々なパターンがあります。面倒見がよく仲間を引き込むのが上手い人、愛嬌があって上司や先輩に可愛がられる人、色々な部門に顔がきく人、……どのスタイルを目指すのかは人それぞれですが、この「社内営業(調整)」は成果を出すための大きなファクターです。それほど重要なスキルなのに、研修コンテンツになることが少ないのは不思議です。 確かにフロントランナーとしてお客様に対峙するのは営業パーソンです。しかし、いくつものサポートや協力があって私たちは営業現場に足を運べます。ケースによっては、納期や条件など多少無理して受注する場面も出てきます。その無理をする場合に、「この営業パーソンのために一肌脱ぐか!」と言ってもらえるかどうかは、受注に影響するのは明らかです。

自分の活躍は周りのサポートがあってこそ

特に最近では、営業活動の分業制を取り入れる企業が増えています。1件の受注を獲得するまでに、マーケター、インサイドセールス(非対面営業担当のことで、アポイントの獲得等をミッションとしている)、営業サポート部門、納品部門、採用担当、といった様々な関係者とコラボレーションが必要なのです。 この前提に立てば、お客様から頂いた会社や営業への評価は、サポートやバックヤードの利害関係者も含めた評価であることを忘れてはいけません。お客様の生の声を聞いたら、積極的に社内にフィードバックしましょう。フィードバックをする営業パーソンとそうでない人とでは、周囲の受け取り方が180度変わります。 私がかつて上司から口酸っぱく言われ続けたのは、こんな言葉です。 「いいか? 自分の給料以上の稼ぎを作っているくらいで満足なんて絶対にするなよ。お前が活躍できているのは、周りのサポートがあってこそだ。だからお前は、売り上げを作れない周りの人たちみんなの給料を上回る稼ぎを作らなければいけない。自分の給料の3倍の稼ぎを作って初めてホンモノだ」 この言葉は今でも私の胸に刻まれていますし、すべての営業パーソンに届けたいメッセージです。 せっかくなので上司との関係性について考え方をお伝えします。上司の時間は無限ではありません、日頃から細かく報告や相談をしていれば、商談や案件の攻略に対して上司の協力を促すことも簡単になります。営業活動において「できる人に協力してもらう」ことは、成果をコントロールする大きなアドバンテージになるはずです。 さらに言えば、重要な案件が発生したとき、上司は信用できる人に案件を託します。つまり、成果をコントロールするためには「いい案件を任される状態をつくっておく」必要があるのです。 いざという重要な局面で、期待という名のパスを渡される人物になれるように、普段から社内での関係構築に臨んでください。
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自社のブランドという「タスキ」を繋ぐ意識
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株式会社セレブリックスの執行役員マーケティング本部長として、コーポレートブランディング、事業企画、マーケティング、営業領域を管掌。また、セールスエバンジェリストの肩書で、主に法人営業と新規営業における、セールスモデルの研究、開発、講演を行う。Twitter/@M_imai_CEREBRIX

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