高齢者もプロテインを飲む時代に。コロナ禍で高まる健康需要の最前線とは
コロナ禍で自宅にいる時間が増えたことにより、いわゆる“コロナ太り”の悩みを抱える人も多い。運動不足解消のためにジョギングやジム通い、宅トレ(自宅で行う筋トレのこと)などに精を出せば、脂肪燃焼に効果的なのは言わずもがなだが、運動後に飲むプロテインも体づくりに重要なものだろう。
最近では、多種多様なフレーバーや粉末、固形タイプのものなどを含めて多くの商品が販売されている。
コロナ禍による健康志向の高まりや昨今における筋トレブームによって、プロテイン市場は拡大し続けている。
その理由について佐藤さんに伺うと、主に3つの要因が考えられるという。
「まず1つ目はボディメイクや筋トレに励む人が増えていることです。女性であれば理想のボディラインや健康美を目指したり、男性であれば筋肉質で引き締まった体を目標にしたりと、トレーニングに励む動機をしっかりと持って取り組んでいるような状況です。
2つ目はダイエットや体型維持が挙げられまして、特にコロナ禍で外出機会が減ったことで運動不足を感じる人も少なくないなか、糖質を控える代わりにたんぱく質を摂取し、脂肪がつきにくくしたり、合わせて運動やスポーツを行って基礎代謝を高め、健康をキープしたりするニーズが高まっています」
そして3つ目は、ロコモティブシンドローム(体の運動器機能が障害をきたし、移動しづらくなる状態のこと)や、高齢者のフレイル(虚弱)対策として、プロテインによるたんぱく質摂取が注目されているという。
「高齢者になると食が細くなり、十分な栄養が摂れなくなることで筋肉や関節が不自由になってしまう可能性が高まります。このような高齢者の『低栄養』が社会問題化しており、いわゆる要介護状態に陥るのを予防するためにプロテインを活用し、たんぱく質を摂取する需要が生まれているんです」
体づくりや健康維持など、たんぱく質を摂取するニーズが細分化されているわけだが、一方でプロテインには粉末や固形、バーなどさまざまな種類の商品が発売されている。
現状はどのようなタイプが求められているのだろうか。
「以前は粉末が主流でしたが、最近ではお客様のライフスタイルやシーンによって、商品を使い分けているような傾向が顕著になっています。他の栄養素を摂らず、たんぱく質を効率的に摂取したい場合は粉末タイプのプロテインが最適ですが、バーやゼリー、ドリンクタイプのものに関しては、筋トレや運動後のタイミングで手軽にたんぱく質が摂取できます。
粉末タイプはどうしても、シェイカーで振って溶かしてから飲ななくてはならず、手間に感じてしまうこともあるので、ちょっと小腹を満たしたいときや時間がないときは、プロテインバーやプロテインドリンクで効果的にたんぱく質を摂取するようになってきています」
今回は森永製菓株式会社 健康マーケティング部長の佐藤 実さんに、コロナ禍で拡大するプロテイン市場の動向と、プロテインを摂取する上でのおすすめの飲み方について話を聞いた。
ボディメイク、ダイエットのほか高齢者のニーズも増加
生活シーンによってプロテインのタイプを使い分けている
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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