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ポケモンGO、STEPN、トリマ。競争が激化するウォーキングアプリ最前線

ウォーキングアプリの現在地

 コロナ禍も少し落ち着き、運動不足解消のためにウォーキングを再び始めようと思っている人も多いのではないでしょうか。現在、歩くことをメインにしたスマホアプリは、位置情報ゲーム系、仮想通貨を稼ぐ「Move to Earn」系、各種ポイントが入手できる「ポイ活」系の3つに大まかに分けられます。それぞれの代表的なアプリと今後の展望をチェックしていきましょう。

『ポケモンGO』は頭打ち?位置情報ゲーム系

 
ポケモンGO

この8月には対人戦の世界大会が開催される『ポケモンGO』

 GPSデータを使った位置情報ゲームでは、2016年7月から始まった『ポケモンGO』がいまだ全世界で圧倒的な人気を誇っています。コロナ禍でもその勢いは衰えず、世界中どこでもレイドバトルに参加できるリモートレイドパスの効果もあり、2021年には過去最高の1.2億ドルを売り上げたという調査データも出ています。しかしながら、ここからさらに収益を拡大するのはやや難しいかもしれません。  というのもサービス開始当初は初代『ポケットモンスター赤・緑』のポケモンのみでしたが、徐々に各世代のポケモンが解禁され、現在は本編直近2作の『サン・ムーン』と『ソード・シールド』のポケモンもある程度実装されている状況。過去のポケモン資産を使い切りつつあります。  また、『ポケモンGO』のさらなる起爆剤になると期待されていた対人戦も、「散歩+コレクション」というアプリ開始当初のユーザー層とは相性が悪く、しかも対人戦自体にバグが多いこともあり、ユーザーの不満が溜まっています。6月12日に幕張メッセで行われた日本代表決定戦でも、バグによるトラブルが続出。実力派プレイヤーによる見応えのある試合も多かっただけに残念な結果となりました。加えてリモートレイドパスの値上げもあって、ユーザー離れが危惧されています。  2021年後半から今年にかけて、国内では『ポケモンGO』の売上が停滞するなか、ライバルといえる『ドラゴンクエストウォーク』がセールスランキングでも『ポケモンGO』を上回ることも増えてきました。しかし、『ドラゴンクエストウォーク』も「武器のインフレが激しい」という声が聞かれ始め、ガチャで武器や防具を集めるスマホゲーム特有のインフレスパイラルに入ってしまったように思われます。  その他、2021年11月にサービス開始した『ピクミン ブルーム』(運営は『ポケモンGO』と同じくナイアンティック)は、集客・売上ともに伸び悩み、いわゆる「過疎っている」状態。ウォーキングのお供としての位置情報ゲームは、少々飽きられ気味と言えそうです。
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『STEPN』はブームとなるか?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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