「『年収200万円で豊かに暮らす』は欺瞞」古谷経衡氏に発言の真意を聞いてみた
年収200万円を肯定する風潮に喝!
今回、話題のもととなった本以外にも「年収200万円で生きること」をポジティブにとらえる書籍は世に氾濫している。書籍ではないが、SPA!でも「年収200万円で楽しく生きる」といった特集を組み、実際に“収入は低くとも精神的に充実した”人生を歩んでいる人がいるのも事実だ。今回、話題となった書籍以外にも「年収200万円で豊かに暮らす」系の本は世に溢れている。当然、需要があるから出版され続けるともいえるわけだが、こうした本が求められる状況について、改めて古谷氏に聞いてみた。 「勤労者の年収が漸減する中で、年収400万-500万くらいの『中堅』勤労者が、より下層の所得層を見て溜飲を下げたいという欲望があるためかと思われます。年収200万層の月収は約16万円です。実際には手取りはもっと低く13万円程度と思われます。雑駁な計算だとここから家賃に5万円、食費3万円、携帯ネット1万円、交通費1万円とひくと何も残らず、こういった層はカードリボ払い等の残債があるはずですので、このような書籍や雑誌を買う余裕はありません」年収200万で豊かに暮らせる事は「絶対に」ありません。200万円で豊かに暮らす事を強いているのなら、それは欺瞞であり、強権であり、詐術です。貴方がおかしいのではなくこの国のシステムが異常なのだ。貴方が200万しか手に入らないのは、貴方の能力が低いからでなく、この国の労働環境が異常なだけ。
— 古谷経衡@新刊『敗軍の名将-インパール・沖縄・特攻』 (幻冬舎新書) 重版御礼! (@aniotahosyu) June 19, 2022
日本の衰退を予見すればこそのプロパガンダ説も
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(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数
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