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未使用の「古くなった充電池」はいつまで使えるのか。新品と放電量を比較検証してみた

古い充電池はどのくらい使えるのか

 2022年8月30日から9月5日は防災週間です。9月1日は防災の日となっており、この時期は台風や秋雨前線などの影響で特に災害が多いシーズンでもあります。家庭用の備蓄もしっかり備えておきたいところです。  さて今回の電池実験の項目はというと「古くなった二次電池はどのくらい使えるのか?」です。  「二次電池」とは、充電と放電を繰り返し使える電池のことで、使い捨て電池(アルカリ乾電池やマンガン乾電池)は「一次電池」と言います。
充電池

現在では充電池の性能も良くなり、1本100円以下の安価な製品も存在している

 この「一次電池」や「二次電池」は電気工学における学術用語なので、通称としての「乾電池」や「使い捨て電池」、「充電池」「バッテリー」などが一般的には広く浸透しています。

進化を続ける「eneloop」で検証してみた

 というわけで今回検証に使ったのは、誰もが知っているであろう旧三洋電機が開発した「eneloop」。  eneloopはニッケル水素タイプの充電池なのですが、2005年にeneloopが登場するまでは、このニッケル水素充電池は、自然放電が多く非常時に使うのには適していなかったり、メモリー効果と呼ばれる使用時の電圧低下減少などにより、正しく使うにはかなり手間のかかる充電池でした。  これらの欠点を改良して、充電から1年後でも自然放電が少なく、残容量は85%ほど。さらにメモリー効果も抑制されており、アルカリ乾電池に取って代わる製品といっても過言ではないほどです。
エネループ

エネループ新旧比較。Panasonicを全面に押し出した最新デザインは実は賛否両論であった

 eneloopの登場以来、ニッケル水素電池の性能は大きく進化し、他メーカーからも同様に欠点を克服した製品が販売されるようになってきました。eneloop自体も細かな改良が行われており、現在購入できるのはPanasonicロゴとなった第4世代のeneloopとなっています。
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新品と長年保管していた未使用電池で比較検証してみた
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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