旧統一教会問題で頻出「政治家の言い訳」を、能町みね子がセレクト。もはやギャグ
政治の世界で、説明責任という言葉が多く聞かれるようになって久しい。国民はそれだけ、政治家に「適切な説明」を求めているということになるが、それを「言い訳」でかわそうとする場面もよく見られるようになった。そんな「言い訳」に注目しているのが、エッセイや漫画などが人気の能町みね子さんだ。今回は、言い訳という切り口で政治の世界を覗いてみるべく、能町さんに、様々な「言い訳」を聞いた。
――まずは、有名な政治家の言い訳から教えてください。
能町みね子(以下、能町):では、菅義偉前首相から。当時首相だった菅さんが広島原爆の日に挨拶をしたんですが、原稿を読み飛ばしてしまったんです。それについて追及された時の言い訳がよかったですね。
――どんな言い訳でしたっけ?
能町:「原稿が糊でくっついていて剥がれなかった」というものです。でもすぐに、糊なんて付いていなかったことまでバラされてしまいましたね(笑)
――あれだけ多くの報道陣がいて沢山のカメラが入っているから、バレることはわかりそうですけど(笑)。
能町:謝ればいいだけだと思うんですけど、なぜか言い訳をしてしまうんですよね。ケツの穴の小ささが伝わってくる「後世に残したい言い訳」です。
――他にも有名な政治家の言い訳はどんなものがありますか?
能町:私が好きなのは、公的行事である「桜を見る会」に、自身の後援会関係者を募集して私物化していたのではという野党の指摘に対する、安倍晋三元首相の言い訳です。「幅広く『募っている』という認識で、『募集している』という認識ではなかった」と言い訳しています。
――かなり話題にもなりましたし、Twitterユーザーの大喜利心をくすぐって、この言い回しを真似るツイートがたくさんでましたね。
能町:今読み返しても、本当に何を言っているのかわからないですよね(笑)。元々の問題がどんなものだったか思い出せなくなるくらい、強烈な言い訳の文言です。
――こうした言い訳を、能町さんは「好き」と表現されるのがいいですね。
能町:問題自体は、全然シャレにならないことなんですけど、「人間って、逃げ場がないほど追い詰められても、こんなにもがくんだな、愚かだなあ」ということが端的に伝わる言葉なので、好きです。
後世に残したい、笑える言い訳
「桜を見る会」は“募集”じゃなくて“募っている”?
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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