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菊花賞は「上がり1ハロン」に注目!狙いたい2頭を競馬の達人が解説

注目のクラシック最終戦を攻略する

競馬

昨年の菊花賞は、横山武史に導かれタイトルホルダーが逃げ切り。5馬身差の圧勝だった 
写真/橋本健

 奇しくも皐月賞、日本ダービー、菊花賞すべて私の担当週となりました。そして皐月賞日本ダービーと見解を書かせていただいているので、菊花賞も見解を書かないわけにはいきません!  ということで、今回の記事では注目のクラシック最終戦の菊花賞を考察していきたいと思います。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

舞台は直線平坦の京都競馬場から急坂の阪神競馬場に

 2020年11月から現在まで続いている京都競馬場の改修工事の影響で、昨年と今年の菊花賞は阪神競馬場で行われます。距離は同じ3000m。また、直線距離だけの比較なら、京都競馬場の外回りは403.7mで、阪神競馬場の内回りは356.5m(どちらもAコース使用時)。外回りから内回りに替わったとはいえ、実はそこまで大きな差はありません。  ただし、最大の違いは直線の坂の有無。  京都競馬場の直線区間に坂はありませんが、阪神競馬場には上がり1ハロン区間におよそ2mの上り坂があります。これが最大のポイント。  京都競馬場で開催された2013年~2020年に良馬場で行われた平均ラップと、阪神競馬場で行われた2021年のラップを比較すると、その差がより顕著に表れています。 京都競馬場平均(2013年~2020年の良馬場で行われたレースの平均ラップ) 12.9-11.8-11.9-12.6-12.3-12.3-13.1-12.9-12.4-12.6-12.4-12.0-11.8-11.6-11.8 阪神競馬場(2021年開催のラップ) 12.5-11.1-11.5-12.1-12.8-12.6-12.8-14.3-13.1-12.6-12.4-11.7-11.5-11.4-12.2  昨年の菊花賞は、タイトルホルダーの横山武騎手が道中14秒台を挟む見事なペース配分で逃げ切りましたが、注目すべきはここではありません。良馬場で行われた京都競馬場時代の菊花賞は上がり1ハロンが11.8秒とほとんど失速していないのに対し、阪神競馬場で行われた昨年の菊花賞は上がり1ハロンが12.2秒。上がり2ハロン目の11.4秒から0.8秒も失速しているのです。  これは直線に待ち構える上り坂の影響が大きいと考えられるでしょう。昨年はスローペースで流れてこのラップですから、ミドルペースで流れればさらに失速する可能性は高いと考えられます。例えば、阪神競馬場で行われた近2年の天皇賞(春)は、いずれも上がり1ハロンが13秒台に突入するレースとなりました。今年もその水準まで達してもおかしくありません。
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ラスト200mのタイムに競走馬の真のスタミナが現れる
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各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

安井式上がりXハロン攻略法安井式上がりXハロン攻略法

(秀和システム)


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