女子高生がSNSを“部活動”として運用、「バズる」動画撮影の裏側とは
10代の若者たちを中心に人気のSNS「TikTok」。学校の認知拡大のために、生徒が企画・撮影・編集までを「部活動」として行っている高校が昨今は増えつつある。
福岡県那珂川市の「福岡女子商業高校」(以下、女子商)の「キカクブ」は活動開始から約1年半でフォロワー数3万人以上を獲得し、入学者数増加に一役買っている。
週3〜4日、放課後に集まり、女子商の魅力を伝える動画作りをしているという。2021年夏に数人の有志でスタートしたキカクブは、同年11月よりTikTokを運用。910万回再生を超える動画を生み出したこともある。
現在は1年生から3年生まで10人の部員が所属していて、今年入った1年生の中には、女子商のTikTokを見て「キカクブで発信したいです!」と入学面接で宣言した生徒もいる。
ただ動画を発信するのではなく、商業高校という特性を生かして「どのターゲットに動画を発信するのか」「どんな動画を発信すればバズるのか」「どんな動画を発信すれば女子商の魅力が伝わるだろう」と、マーケティング視点で徹底的に考える。
顧問の先生のコンプライアンスチェックは入るが、基本的には生徒たちがリサーチをして企画を出し、スマートフォンを使って撮影・編集までを担っている。今回はその裏側に迫った。
取材当日は「キカクブの生徒が柴山翔太校長にインタビューする」という内容での動画撮影。先日出版された柴山校長の書籍に関して生徒たちが話を聞く内容だ。
【前回記事】⇒「リアルドラゴン桜」の実績を買われて30歳で校長に。入学者数を定員割れから約3倍にした手腕とは
キカクブに入ったばかりの1年生を中心に進めるが、上級生たちが撮影手法をアドバイスする。
「もう少しスマホの角度を上げたほうがいいかもしれない」「この角度なら臨場感が出るかもよ」
生徒たちはスマホでカメラチェックを行い、どんな撮影をすれば多くの人に見てもらえるかを真剣に、なおかつ楽しく話し合っている。
柴山校長の正面に1台、インタビュアー役の生徒に向けてもう1台のスマートフォンを構え、テンポ良く撮影が行われていく。撮影は30分ほどで終了。生徒がそれぞれカメラマン、ディレクターの役割を果たしていて、テレビ番組のロケさながらの雰囲気である。
高校の“部活動”としてSNSを運用
生徒が出演・撮影・演出までこなす
現在はTikTokに週2本の動画を上げているが、運用開始から半年ほどは動画をほぼ毎日投稿、動画の伸び具合をチェックしながらトライ&エラーを繰り返し、動画の質を上げていった。@fukuoka_joshisho #投稿194日目 #初書籍 の魅力をご紹介 #校長本出すってよ#女子商#きみが校長をやればいい#挑戦を楽しめ#校長先生#キカクブ#福岡女子商業高校 ♬ オリジナル楽曲 – 【公式】福岡女子商業高等学校
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コラムニスト・ライター。1978年生まれ。NSC東京作家コース出身。2006年から2020年まで放送作家として活動。キー局のテレビ・ラジオ番組の報道・情報番組を主に担当。2020年秋に東京から福岡へ移住。福岡・九州情報の発信に努めている。X(旧Twitter):@uraihiro
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