ドヤ街西成に「激安カラオケパブ」が乱立した理由。かつては“中華街化計画”の構想も
シャッター街化が全国の商店街で広がる昨今。若者を呼び込み、おしゃれなカフェやマルシェ、ベーカリーなどの新店を出して、商店街を盛り上げようとしていますが、なかなかどうして行列ができるほど大繁盛するわけではない。
高齢化が進み、なんとかテコ入れを……と考えても人の足が戻ることはなかなか難しいわけだ。
しかし、日本に流入してきた外国人のおかげで活況になっている商店街もある。それが西成区にある動物園前駅ほど近くの動物園前商店街。ここでこの商店街を盛り上げるのが中国人女性。ド派手な店が軒を連ねるここでは、100人以上の中国人女性が店を切り盛りしているということだ。
今回は、西成事情に詳しい某タウン誌の編集者S氏に「西成の変化」について聞いてみた。
――この間、西成で飲んでいたんですが、相変わらず飲んだくれて路上で寝ている日雇い労働者はいましたね。「お兄ちゃん小銭恵んでくれへんか」とか、「煙草持ってないか」と話しかけられました。
S氏:根本は何も変わりませんよ。あいりんのセンター跡地に行けば、路上生活者ばかりです。昔、暴力団が仕切っていた大規模な賭場(通称・ドーム)が大阪府警によって一斉摘発されてからは、賭場のカタチは変わりました。
――どのように変わったわけですか?
S氏:簡易宿泊所(通称・ドヤ)の中でチンチロリン賭博をやっていたり、暴力団が別名義で借りたマンションの中で賭博場(通称・ボン)が立っていたり……。ただ、生活保護者から金をむしり取る手口自体は変わっていません。
――なぜ、動物園前商店街があのような景色に様変わりしたのでしょうか。
S氏:やはり中国人の不動産投資がはじまってからですね。参入がはじまってから変化しはじめました。インバウンドで目をつけた中国人資本家が一体を買い占めてあの状態になったわけです。非常に安い値段で飲める中国人パブが乱立したということです。
※中国人パブとは(以下注釈)
動物園前商店街と萩之茶屋商店街を主にけばけばしい看板をだして、中の女性が客を呼び込む安価に酒が飲めるカラオケ居酒屋のこと。
若くて可愛い女の子が多く、西成を住処にする労働者たち、生活保護者の心のよりどころ。夜にもなると繁盛している店も多い。
料金帯は、カラオケ居酒屋で1杯飲んでも500円。女の子たちにドリンク一杯を飲ませても1000円ほど。営業は昼からで、300円ほどのつまみを食べながら、1曲100円ほどの料金でカラオケで楽しみ、酒が飲めるわけだった。チャージは無料。そりゃ流行る。
カウンター前に立つ女の子たちはセクシーな衣装を身にまとい、ドリンクをせがんでくる。しかし、女性客も多く、気持ちの良い接客に人気がある。
ドヤの中で行われるチンチロリン賭博
カラオケパブが急増した理由
作家として複数連載、著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。各ポータルサイトで編集長、文化人タレントとしてテレビ・ラジオ・web番組出演多数
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