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大学入試「総合型選抜」に特化した塾では何を教える? 代表を直撃

大学入試は総合型選抜に比重が

河上明夢

「クラウドセンバツ」塾長の河上明夢さん

 令和現在の大学入試には大きな変革が起きています。それは、ペーパーテストで入学者選抜を実施する一般選抜から、高校での活動実績や内申点、教授との面談などで合否を決める総合型選抜へと比重が傾いているということです。  これからの時代、机の上で勉強をしているだけでは大学に入れない時代もやってくるかもしれません。新たな大学入試を生き抜いていくために、今の我々に何ができるのか。本日は、総合型選抜に特化した塾である「クラウドセンバツ」の方にお話を伺っていきたいと思います!  本日お話を伺うのは、「クラウドセンバツ」塾長である河上明夢さん。彼女は中央大学法学部に通う現役の学生でありながら、選抜入試塾の塾長という大役を任されている才女。ですが、その受験は順風満帆とはいかなかったようでした。 「私は、群馬県のある私立高校に通っていました。この学校は小中高一貫校で、特に英語教育に力を入れている学校でした。算数や理科、社会など、ほとんどの科目が英語で指導されているんです。幸いにも私は英語について苦手意識はなかったのですが、それ以外の科目が大変苦手で、数学や化学などはいつも赤点すれすれというありさまでした」

「英語が得意」は長所にならない環境で

 大変英語が重視された学校で、ほとんどの科目を英語で進めるという、非凡なカリキュラム。並大抵の人ならば、授業内容を理解することすらやっとの環境だったと思いますが、彼女の同級生たちはそんな環境でもスイスイ点を獲っていきます。  他の学校であればアピールポイントになる「英語が得意」という長所も、ここでは長所になりません。それなりに英語ができることが前提の環境にいるからです。また、彼女は学業に前向きではありませんでした。それよりも楽しいことがあったからです。 「高校に在学中は、学科の勉強よりも課外活動にばかり精を出していました。難民学校の子どもたちに英語を教える活動をしていたんです。また、キャリア教育にも興味があったので、他校の生徒と協力して、東京でイベントを開催したこともありました。ほかにも、パナソニックのスピーチコンテストのファイナリストになるなど、高校生にしては、相当忙しくしていたと思います。そのせいで、学校の勉強はほぼ手つかず。課題をやらないどころか、学校にすら行かない日もあり、親が呼び出されて面談になったこともありました」  学校の勉強よりも、実学をとっていた河上さん。実際に現地に行って、難民学校の子どもたちのために活動したり、他校の生徒と協力して仕事をしたりしているうちに、その楽しさにのめりこんでしまいました。  もちろん、それらの活動は素晴らしいものであったのですが、それも学業をこなしていることが前提です。学校の勉強はボロボロ、まじめに課題をやって提出することもありません。課外活動の方は輝かしい結果を出しており、頻繁にテレビや新聞の取材を受けていたといいますが、高校では問題児扱いでした。  もちろん大学に行こうという意識はありましたが、親からかけられるのは「それよりも前に高校を出てほしい」という言葉。そもそも高校を卒業できるのかどうかすらわからない、そんな危機的状況にいたのだといいます。 【詳しくはこちら】⇒「東大生インタビュー クラウドセンバツ塾長 河上明夢に聞く!評定平均2.5の私が、無謀とも言える挑戦をした理由」はこちらへ
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選抜入試という選択肢が救いに
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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