仕事

「10万円の高級水」が売れることも…“コンカフェの実態”を元店長に聞く

昨今、一大ブームを巻き起こしているコンカフェ。コンカフェとは、特定のコンセプトを衣装、メニュー、接客などに取り入れたカフェ&バーを指す。コンセプトは、魔法少女、お姫様、ゴスロリ、天使などさまざまで、2000年代初頭に流行したメイドカフェから派生したものと考えられる。 一昔前まではアキバカルチャーのイメージが強かったコンカフェ・メイドカフェだが、最近はアルコールを提供する店が増えたこともあり、普通のバーに行く感覚で気軽に足を運んでいる人も多いらしい。しかし、客層が広がったことによりさまざまな事件も起きているようだ。 今回は、コンカフェで店長を務めた経験もある百野綾華さんにインタビューを実施。コンカフェの実態について話を聞いた。
百野綾華さん

百野綾華さん

入店後一週間後で潰れたアイドルコンカフェ

10代の頃はアイドルユニットに所属していたという百野さん。アイドル卒業後は一度芸能界から距離を置くも、ファンの人と交流する場所がほしいと思い、「アイドルコンセプト」のコンカフェで働くことを決めた。 「アイドルコンセプトとは、現役アイドルや元アイドル、アイドルの卵などが働いているコンカフェです。ステージの時間があって、キャストが歌ったり踊ったりしてくれるお店が多いですね。私のように、セカンドキャリアとしてアイドルコンセプトのお店で働く元アイドルも増えてます。客層は、キャストのアイドル時代のファンや、アイドル好きなお客さんが主ですね。 ただ、『アイドルにはあんまりお酒を飲んでほしくない』と思うお客さんが多いせいか、最も儲けを出しやすいアルコール類が全然売れないんですよ。そのせいかアイドルコンセプトのお店は潰れやすく、私が前に勤めたお店は入店後一週間で潰れました(笑)」

「キャストを泥酔させて持ち帰ろうとする」悪質な客も

百野綾華さん一方で、シャンパンが1日に何本も開くようなコンカフェは、あまり治安が良くないところも多いそう。 「昔のコンカフェは、本当に普通のカフェとして運営しているお店がほとんどでした。でも、最近はキャバクラやガールズバーの運営がコンカフェ業界に参入してきて、指名に似たシステムやお店には内緒でアフターをしているキャストも出てきているようで、夜のお店との線引きがだいぶあいまいになっています。 でも、キャバクラやガールズバーと違って、コンカフェには男性スタッフがいない店もあって。そういう店を狙い、キャストを泥酔させて持ち帰ろうとする悪質なお客さんもいて……。売上的にはたくさん飲ませてもらったほうがいいので、こればっかりはキャスト同士で連帯して気をつけるしかないんですよね」
次のページ
「靴下を一万円で売ってくれ」という客も
1
2
3
1994年生まれ。フリーランスライター兼タレント。ミス東スポ2022グランプリ受賞。東京スポーツ、週刊プレイボーイ、MEN'S NON-NO WEB、bizSPA!フレッシュなどで執筆。隔月刊漫画雑誌「グランドジャンプめちゃ」にて連載中の漫画「スワイプ」の原作も務める

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ