大衆化を図った高級SUVはアリか? ナシか?
ハイブリッドカーが流行っているのは日本だけとはいえ、世界的にクルマのエコ化の機運が高まっていることは紛れもない事実であります。その流れは、ガソリン代などまったく気にしないセレブ御用達の大型高級車に顕著に表れているとか。そんな流れに乗って登場した2台に乗ってみた!
マリオ高野=文 Text by Mario Takano
望月浩彦=写真 Photographs by Mochizuki Hirohiko
◆高級SUVですら節約や低コスト化を意識している現実は下流には心強い!
貧窮のさらなる悪化により、日常生活のダウンサイジング化を推進。それを心から楽しみ、謳歌しているマリオ高野です。
ちょっとした移動はクルマや電車を使わずにジョギング。趣味は1円もかからずに楽しめるバードウォッチングを開始。大好きなプロ野球観戦は、タダで観られる二軍の試合ばかりとするなど、貧窮の悪化に伴った低コスト生活を実施しておりますが、幸福度や充実度はむしろ高まりました。世の中の変化に順応できている自分が誇らしく思えますね。
そんなマリオ高野の成功を模倣するかのように、世界の自動車メーカーもダウンサイジング化によって幸福を取り戻しております。
数年前までは燃費のネの字も意識していなかったメーカーも、まず第一にエコ性能をアピールするようになりました。今や欧米の高級車でさえエコ性能にご執心であり、自動車総エコカー化の推進がはかられておりますが、とりわけ大型高級車のダウンサイジング化が目立ちます。
ちょっと前までガソリンは水よりも安かったアメリカでも、代表的なSUVのという低燃費モデルを追加設定。全長は5mで全幅は2m、重さは2トンを超えるという巨体に、排気量2リッターのエンジンを搭載しました。排気量は小さめながら、超緻密な燃焼制御を行う効率の良いターボエンジンとすることで、従来モデルの3.5リッターエンジンと同等のパワーを出しながら燃費を改善しています。
フォード社は、日欧のハイブリッドカーやディーゼルエンジン車に、このエコブーストのエンジンをもって対抗する戦略のようで、国内の新車販売は好調。株価も上がるなど、アメリカの自動車メーカーはすっかり元気を取り戻しました。
乗ってみると、アメリカの大排気量エンジン特有の贅沢な過剰感は薄まりましたが、車体は巨大なままなので、先の太平洋戦争でも見せつけられた途方もない物量感は健在!
⇒【画像】はこちら https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=210261
燃費の悪い巨大なクルマを転がすことに罪悪感を覚えずに済むどころか、エコカー補助金の10万円がもらえる名実ともに立派なエコカーとしてご近所に自慢できるでしょう(ドサクサに紛れて従来の大排気量グレードもエコカー減税対象車に)。
カタログ上の燃費はリッター8.1kmですが、大人しく走ればリッター2ケタは楽勝で出せます。
後編に続く⇒https://nikkan-spa.jp/194850
レンジローバーのエコモデル「イヴォーク」に乗ってみた
― 大衆化を図る高級SUV【1】 ―1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。その後、群馬県太田市へ移住し、現在は太田市議会議員に。X(旧Twitter):@takano_mario
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