世界的にも“異常”なワールドカップアジア予選。大スポンサー「中国と中東」の政治力による影響か
FIFAワールドカップの出場権を懸けた戦いが始まった。アジア2次予選でミャンマー、シリア、北朝鮮と同組になった日本代表は11月16日にミャンマーと、同21日にシリアと対戦。いずれの試合も5-0で快勝して好スタートをきった。
戦前から負傷者が相次ぎ不安視されたが、上田綺世らの活躍により不在者による戦力ダウンを感じさせることなく、むしろ層の厚さを感じさせた戦いぶりを見せてくれた。選手らを中心とした日本代表は相変わらずの好調で、今後にも期待を持てる内容だった。しかし、周囲を取り巻く事情の問題点が浮き彫りとなった。
これまでの主力から8人も離脱した状態で戦うことになった日本代表だったが、ミャンマー戦とシリア戦で先発メンバーを9人も入れ替え、2試合で24人の選手を起用して勝利した。どちらの相手も明らかに格下ではあったが質を落とさずに戦うことができていた。招集外や離脱者を加えると、同等のクオリティでプレーできる選手が30人超いることになり、現在の日本代表の競争力の高さと選手層の厚さを証明する結果となった。
順調に強化を進めている日本代表だが、今回は試合とは別の問題が浮上してしまった。
ひとつはアウェイのシリア戦が日本国内で見られなかったことだ。アジア2次予選においてはホームとなるチームに放映権がある。次ラウンドの最終予選はアジアサッカー連盟(AFC)が放映権を保持し、日本国内における放映権はすでにDAZNが購入してライセンスを得ている。しかし、2次予選におけるアウェイ戦は北朝鮮戦、ミャンマー戦とまだ2試合を残しており、今回のシリア戦のようなことが起こる可能性を秘めている。
ワールドカップ本大会のときも放映権料の高騰が話題になったが、いつまでも値段が上がり続けるというのもおかしな話であり、いずれかは右肩上がりではなくなる。FIFAはそれでも放映権料による売上高を上げようと、次大会から出場国を増やすという決断をした。
そういった値上がりの理由があるならまだしも、今回のシリア戦においては理由なき値上げを要求されたようなもので決して納得のいくものでもない。本大会であれば賞金という形でチームや選手に還元されるが、2次予選においてはその使途も不明。理由なき高騰に歯止めをかけるという意味では、支持できる決断だったように思える。
質を落とさず叩けるメンバーが“30人超”
シリア戦は無理して放映しなくてよかった?
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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