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“無差別に暴力をふるう”危険なヤンキーが、「あの時は悪かった」と地元の飲み会で謝罪した理由

 学校で“異様”な存在感を放っているのは、いつの時代だってヤンキーだ。しかし地元を離れたり、大人になるにつれ、彼らと接点がなくなる人も多い。それでも「あいつ今どうしてるんだろ?」と、同窓会の格好のネタになりがちなのだから、学生時代のインパクトたるやである。 「気にはなるが関わりたくはない」からこそ、善良な小市民には詳細が見えないのが「ヤンキーのその後」。学生時代は「悪夢として夢に出てくるほど」の蛮行を繰り返していた不良が同級生だったという小林裕明さん(仮名・37歳)は、このほど不良生徒の顛末を聞けたそうだ。
中学校

画像はイメージです

目が合っただけで殴る蹴るの暴力を…

「地元が田舎でヤンチャな人間が多い地域だったこともあって、20数年前の当時としてもヤンキーの同級生は多いほうでした。そんな中学校の中でも、同級生の河原(仮名)は凶悪さでその名を町中に轟かせていました。とにかく恐ろしい存在で、彼について話しているのさえバレないようにしていたほどです。自分のような非ヤンキー勢は、ハリー・ポッターのヴォルデモートのごとく『例の人』と呼んでましたね」  河原さんが恐れられていたのは、無差別かつ尋常ではない攻撃性の高さにあった。 「校内を無意味に練り歩いてるんですよ。それで目が合ったとか、歩く様子が気に食わないとか、適当なイチャモンをつけては殴る蹴るの暴力を振るうのが日常でした。自分も一度、『オドオドし過ぎていて目障り』という理由で腹を蹴られたことがあります。それも遊びの範疇じゃなく、いつだって全力。本当に恐怖の学校生活でした。他校の生徒との喧嘩もしょっちゅう。空手など、格闘技に腕の覚えがあるタイプが相手でも一切怯まないんです。むしろステゴロで負けてしまった相手には微塵の容赦もない。家にゴルフクラブを持参で奇襲をかけ、半殺しにしたなんて話も聞きましたから

逮捕されたあと、悪事はエスカレート

 危険なエピソードはそれだけではない。 「万引きや原付を盗んだりするのは日常茶飯事。中学生にして2人ほど妊娠もさせたそうですね。けれどある時、店先に誰もいなかった雑貨屋でレジごと盗もうとして、警察に逮捕されました。ようやく少年院に入れられたと安心したのも束の間。出てきても更生するどころか、悪事はエスカレートしました。そこでできた仲間と徒党を組むようになったんです」  学校はおろか道端でさえ、うっかり鉢合わせまいと願う日々。中学卒業後、進路が分かれたことでやっと安心できたそう。 「あの緊張感から解放されるのはうれしかったですね。中学を卒業後、河原は学区でも一番偏差値の低い高校に入ったんですが、数ヶ月で退学。その後入った暴走族でもブイブイ言わし、果ては暴力団の構成員になるという、悪のエリートコースを進んでいました」  だが構成員になって以降、めっきり河原さんの話を聞くことは少なくなった。 「河原が引っ越したので、続報は減っていきました。ただ就職先が就職先なので、『ヒットマンとして人を殺し、刑務所にいる』だの『中東の麻薬工場で製造を仕切るポジションについた』など、真偽の怪しい噂は流れていましたが
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地元に帰ってくるも、様子がおかしい?
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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