仕事

「いずれ正社員雇用する」と言われて12年…42歳“引越バイト”の絶望。待遇改善を求めても「贅沢言うな」

 若者たちの間で広がった“バ畜”という言葉。社畜のように、バイトで身を粉にして働く状況を指すというが、より一層切実なのが“中年バ畜”だ。ブラックな職場から抜け出せない、中年フリーターたちの絶望とは――?

「いずれ正社員雇用する」と言われたが…

[絶望の中年バイト]職場ルポ

※画像はイメージです(以下同)

 オフィス専門の引っ越し業者で働く井上正則さん(仮名・42歳・未婚)。もともとは別の会社で正社員だったが、激務のために退社し、引っ越しバイトで生活する。  この引っ越し業者では今年で勤続12年目だが、いまだにアルバイト雇用だ。現在の会社に転職した際に「いずれ正社員雇用する」と言われたそうだが、お声はかからないままだ。

肉体労働だが、現場にいるのは中年ばかり

[絶望の中年バイト]職場ルポ「職場はカラ残業が当たり前。日給は8000円ですが、シフトの調整をされて月収は毎月16万円前後です。しかも、バイトなのに現場監督を任されています。ウチは大手物流会社の下請け企業で、元請けから現場監督代が支払われているはず。本来は1日あたり7000円ほど僕につくはずですが、すべて中抜きされています。肉体労働で体力を使う仕事ですが、現場に入っているのは中年ばかりです」
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70歳前後の先輩がバタバタ亡くなっていく職場
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